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2021年度ご挨拶
弊社は3月決算ですので年度末が非常に忙しく、全く記事を書く時間がありませんでした…1ヶ月以上まともに書くことができず、楽しみにしてくれていた皆さんには大変お待たせしてしまいました。
年度末の作業と平行してマッサンペットフーズ初のドッグフードであるウィリアムドッグフードの販売を開始しました。
ただのロニーキャットフードのドッグフード版でなく、犬用として考えられたドッグフードになっていますので、犬と暮らしている方は是非試してみてください。
今年度も宜しくお願い致します!
コンドロイチン硫酸とは
それでは今回の本題に入りたいと思います。今回はコンドロイチン硫酸についてです。以前グルコサミンについて話しましたのでこちらと合わせて確認してください。
コンドロイチン硫酸といえば人用の関節サプリなどで、グルコサミンと一緒に使われるイメージがあるかと思います。
コンドロイチン硫酸はムコ多糖体の一種です。ムコ多糖体とは細胞間に存在するゼリー状の物質です。関節だけでなく、胎盤や皮膚、腹水など様々な場所に存在しています。ゼリー状であることからもわかる通り、潤滑油の役割を果たしています。ヒアルロン酸もムコ多糖体です。
ヒアルロン酸と同じなんですね!
ただヒアルロン酸はグルコサミンとグルクロン酸がくっついたものです。コンドロイチン硫酸はガラクトサミンとグルクロン酸などがくっついたものですので、違いはありますが、同じムコ多糖体のひとつです。
コンドロイチンとコンドロイチン硫酸の違い
恥ずかしながら私も最初はただ硫酸という表記をを省いてただけじゃないの?と思っていました(笑)
私は今でもそう思っていました…
基本的に動物の体内ではコンドロイチン硫酸という形でみられます。ただ線虫には硫酸化されていないコンドロイチンが見られるそうです。
このようにコンドロイチン硫酸はコンドロイチンが硫酸化した状態なので、コンドロイチンはコンドロイチン硫酸のひとつ前の段階とも言えるかもしれません。
硫酸という言葉から危険なものというイメージがあるようですが、決してそのようなものではありません。
コンドロイチン硫酸の中でも代表的なものはやはり軟骨のコンドロイチン硫酸であると思います。
コンドロイチン硫酸を摂取する理由
加齢で合成量が減少するので老犬・老猫(シニア)におすすめ
コンドロイチン硫酸は食べものなどから合成しますが、年齢とともに合成量が減少していきます。
これらを補うことで加齢で減っている時のみならず、成長期なども補給することで関節の健康を維持します。
一説には、吸収されることで働いているのではなく、体内を通り、腸の表面をなぞることで効果を上げている、とも言われています。
出典:鳥取大学の教員による講義
年齢を重ねるとコンドロイチンの体内合成量が減ってきますので食事で摂取することがおすすめです。
猫は変形関節症など、関節に問題を起こすことも珍しくありません。だいたいが老猫で起こりますが、若年層でも起こる場合があります。
コンドロイチン硫酸はドライフードなどに含まれているものばかりではありませんので、サプリなども使用してみるというのもいいかもしれません。
また、関節の痛みはコンドロイチン硫酸は痛みを抑えるのを助けますが、摂取しているからといって必ずしも治るわけではありませんので、痛みが出る前から気にしてあげるというのもひとつの選択肢になってくるかもしれません。
その理由を後ほど臨床試験を紹介しながら解説してみます。
成長期にコンドロイチンは必要?
基本的には成長期であれば十分必要量を体内で合成することができますので、特に食事で補う必要はないかと思いますが、特に大型犬などの場合には意識していても損はないかもしれません。
子犬も子猫も、小型犬も大型犬も生まれたときはほとんど同じサイズなのに、犬、特に大型犬ともなると子猫からかなり体が大きくなります。
当然ながら関節にもその分負担がかかりますので、コンドロイチンやグルコサミンが配合されているものがおすすめできます。
また基本的な部分としては成長期に太り過ぎたりしないように体重管理をしっかりと行う方が効果的であるかもしれませんね。
コンドロイチン硫酸の作り方
コンドロイチン硫酸はサメのヒレなどの軟骨組織を加水分解して作ります。
以前は牛やクジラの組織から抽出していたようです。現在では抽出技術が進み、イカの軟骨や魚の骨や皮から作り出す方法があるようです。
コンドロイチン硫酸の膝関節痛の臨床試験結果
「コンドロイチン硫酸ナトリウムの変形性膝関節症愚者に対する臨床効果について(PDFファイル)(2011年11月発表)」でも発表されているコンドロイチン硫酸ナトリウムの変形性膝関節症患者に対する臨床試験結果では、有意な改善が認められたとしています。
これまで海外でもコンドロイチン硫酸は関節痛を軽減し、関節軟骨の減少を抑制するという臨床成績が報告されており、コンドロイチン硫酸は一定の効果が認められるのではと考えられています。
でもこれは人に対する臨床結果ですよね?
日本でも犬に対する臨床結果が「関節症発症犬に対する D-グルコサミン塩酸塩・コンドロイチン硫酸配合剤経口投与の臨床学的効果」で発表されています。
これによれば犬でも多くの症例で症状改善が見られ、特に変形性関節症には効果が顕著であったとしています。
こうした例からも意識して与えることで痛みを軽減してあげたり、関節軟骨の減少を抑制することで予防することができるかもしれません。
まとめ
- コンドロイチン硫酸はムコ多糖体の一種
- ヒアルロン酸もムコ多糖体
- 関節などの潤滑油の役割を果たす
- サメの軟骨から作られる。最近はイカの軟骨や魚の骨、皮から抽出して作る方法も
- 関節痛に有意な改善が認められ、関節軟骨の減少を抑制する
臨床結果からもコンドロイチン硫酸が関節軟骨の減少を抑制するという効果が期待できるということなので、変形性関節症にも一定の効果が認められるかもしれません。予防として考えていくのも良さそうですね。