目次
ドッグフードの原材料として使われるフルーツ
ドッグフードは肉や野菜以外にフルーツもよく使われています。犬用ドライフルーツもありますよ。
雑食である犬にとってはフルーツも食生活を豊かにするという面で大切な食品のひとつです。食育と いう面でも有効だと思います。
イチゴ、リンゴ、柿、梨、パイナップル、キウイフルーツ、桃、マンゴー、ブルーベリー、マルベリー、カウベリー、バナナ、オレンジなど豊富な種類が使用されています。
バラ科のフルーツ
犬が比較的よく好む物としてバラ科のフルーツがあります。
リンゴ[バラ科リンゴ属]
クエン酸、カリウム、食物繊維、リンゴポリフェノールなどが特徴的です。
クエン酸、リンゴ酸といった有機酸を含んでいますので殺菌効果や胃腸の働きのサポートなどが期待できます。さらに食物繊維としてペクチンが含まれているので合わせて効果的です。カリウムは塩分排出機能があり、むくみや血圧改善が期待できます。
リンゴポリフェノールは酸化防止効果から老化防止が期待されています。
梨[バラ科ナシ属]
梨といえばアスパラギン酸が豊富なので、疲労回復にいいでしょう。また、消化酵素で消化促進、カリウムで塩分排出などがあります。
ただ梨は8、90%が水分ですのでドライフード製造工程上でほとんど飛んでしまいます。また、アスパラギン酸も熱に弱いため、繊維質として考えられます。
ただ、栄養面だけで考えると、意味がないと考えてしまいがちですが、「梨を食べられる」という食の行動として満足感を与えることも大切です。
他のフルーツ
杏、イチゴ、梅、サクランボ、プラム、びわ、桃などがあります。
バラ科のフルーツは種に注意
バラ科のフルーツの種が割れて、アミグダリンやプルナシンが酵素で加水分解されるとシアン化水素が精算され、青酸中毒になり、命に関わる可能性があります。
ドッグフードで中毒の心配をする必要はありません
ドッグフードでバラ科の種の心配する必要はありません。
まず、中毒症状を引き起こすためには種子の大量摂取が必要です。ドッグフードに使われているフルーツは非常に少量であること、また、種子がそのまま入っているわけでもありません。
もちろんできあがったドッグフードからアミグダリンやプルナシン、シアン化水素は検出されません。
ウルシ科のフルーツ
マンゴー[ウルシ科マンゴー属]
ウルシって漆塗りの漆ですか?
そうなんです。マンゴーがウルシ科なんて驚きますよね。
犬がウルシで被れるかどうかを知ることはなかなかないと思うのですが、作用としてはどうようで、漆でアレルギーを起こす場合はマンゴーでもアレルギー反応が起こってしまう場合があります。
犬の場合、口腔内アレルギーなどで症状が出る場合があります。
ドッグフードの場合はドライフードで使われることはほとんどないかと思いますので、犬用ドライフルーツなどになるかと思います。
ベリー類
犬猫問わずよく使用される原材料にベリー類があります。ベリー類は非常に豊富で様々な種類があります。
おそらくスイカズラ科を使用しているフードはないかと思います。
- バラ科キイチゴ属
- ツツジ科スノキ属
- クワ科クワ属
- スグリ科スグリ属
- スイカヅラ科スイカヅラ属
バラ科キイチゴ属
キイチゴ属の通り、よく見かける木苺です。ラズベリー、ブラックベリーのふたつが主要栽培系統となります。
主要というのは、キイチゴ属は雑種が多いため、分けると非常に多くなってしまうためです。
ツツジ科スノキ属
クランベリー、ブルーベリー、コケモモ、ビルベリー、ハックルベリー、チェッカーベリーなどがあります。
ブルーベリーなど日本でも身近なものが多い種類です。全体的に小粒でありながら甘酸っぱい実です。
クワ科クワ属
桑の実です。マルベリーが属しています。日本は蚕の養殖が盛んだったことから桑畑が残っていたりすることで、日本でも多くの種類の桑の実が確認できます。
スグリ科スグリ属
スグリという実を知っていますか?あまり目にする機会はないかもしれませんが、一見ミニトマトのような、小さなスイカ柄の水風船のような透明感のある実です。酸味を利用してジャムやシロップにします。
それ以外にドッグフードで関係する場合はグーズベリーやカシスなどがあります。
ミカン科ミカン属
ビタミン豊富なミカン科のフルーツ。
ドッグフードにもビタミンやミネラル、糖分、クエン酸など豊富な栄養素を考えて使用されています。ドッグフードではオレンジが使われることがありますが、その他のフルーツはあまり見かけないかと思います。
種や薄皮はとってあげた方がよいですが犬も食べることができます。ただ当たり前のように次々と与えることは避けましょう。
自分が食べていたら、一緒にどんどんあげてしまいそうですね…
グレープフルーツやいよかん、かぼす、スダチ、ハッサク、ユズ、ライム、レモンなど、ミカン科ミカン属はとても身近なフルーツばかりです。グレープフルーツは投薬中は控えた方よい場合があるようです。
理由は犬に与えたデータが少ないとか、原材料費が高い、量を確保できないなど色々理由がありそうです。
猫の場合はミカンなどの皮に含まれるリモネンが猫にとって有毒で、猫自身が柑橘類に嫌悪感を示しますので、犬と同様ではありません。ただ、キャットフードの原材料として使用しているものも多くありますが、その場合高熱で処理することなどからリモネンは検出されず使用できます。
ブドウ科ブドウ属
注意すべきがこのブドウです。
ポリフェノールを多く含み、レスベラトールという若返り成分とも言われる成分も含んだ有能なフルーツです。
しかしアメリカでの検証結果で体重1kgあたり、生のブドウ30gで致死すると言われるようになりました。
症状としては急性心不全のようですが、ブドウのどの成分が悪影響を与えているのかがわかっていないようです。
ブドウだけで起こるというのもおかしな話ですので、早期に解明されるのではと思います。
まとめ
- 犬は比較的どのフルーツでも食べることができるが、量に注意
- ブドウ科ブドウ属は注意
- グレープフルーツは一部の薬の効果に影響するので投薬中は注意
- フルーツに含まれる様々な栄養素をドッグフードに活用可能
フルーツを与えることは食事を楽しむ上でとても有効的な方法のひとつになると思います。与えてはいけないものに注意して、犬の食育をはかっていきましょう!