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犬が下痢になる原因は?
犬が下痢になる原因は、便の状態(軟便、水様便など)や、病気の種類によって簡単には言えない部分もありますので、ここでは大まかに分けた原因を紹介したいと思います。
- 病気
- 誤食・誤飲(食中毒など)
- 食物アレルギー
- 消化不良
- 内蔵が弱い
犬の場合は雑食で比較的なんでも食べることができますので、犬だからこれは駄目!といったものは少なく、ある程度個々にあわせた原因特定が必要です。
気になったら動物病院へ連れていきましょう
このため素人判断では難しい部分もあります。気になったらまずは動物病院へ連れていきましょう。
獣医師の判断のもと、飼い主が取り組めることを判断し、改善策を行ってみることを大前提として、以下下痢や血便の原因を紹介していきます。
病気による下痢
病気には癌のような腫瘍もあれば、胃腸炎、膵炎、大腸や小腸の不調、感染症などがあります。
病気が原因の下痢は人と似通っているところがありますので、人が下痢をする病気や不調からイメージするとイメージしやすいかと思います。
病気についてはやはり獣医師の専門分野となりますので、心当たりのある場合はすぐにでも動物病院へ連れていきましょう。
誤食・誤飲(食中毒など)による下痢
人用の薬など医薬品
誤食・誤飲で問題になる部分は植物や散歩での拾い食いなどがありますが、特に危険性が高いものに人用の薬などがあります。
下痢だけで済めばいいのですがそれだけでは済まない場合もあり、犬が食べられる場所に薬を置かないという日々の管理が非常に重要になります。
化粧品などの薬品
匂いもある化粧品ですが、飼い主が付けていることで気になったり、クリームなどを直接舐めてしまったり、化粧品の容器ごと遊んでいて飲んでしまったという誤食があり得ます。
かゆみ止めやボディクリーム、石けんなど多くのもので同様のシチュエーションが生まれますので常日頃から置く場所には気を使うようにしましょう。
散歩時の拾い食い
犬は散歩の時に拾い食いをしてしまうことがあり、それが原因で下痢を起こす場合があります。
この場合は食中毒、ウイルスなどが原因となってきます。
また、家や外、ビルなど多くの場所にある観葉植物などの植物も注意が必要です。
食物アレルギー
ここでやっと私の専門分野のひとつ、食物アレルギーです。といっても私の場合は食物アレルギー自体が専門(獣医師)というわけではなく、ドッグフードの原材料についてです。
犬も猫も人も、ある食べ物にアレルギーが出てしまう方がいます。
タンパク質が豊富に含まれている食材
犬の場合は肉類(牛肉、鶏肉、ラム肉など)を筆頭に、大豆、穀物(トウモロコシ、小麦)、卵、乳製品などに食物アレルギーが出やすいといわれています。
食物アレルギーはタンパク質が原因のひとつになりますので、タンパク質が豊富な食材ということになります。
ほとんどアレルギーが出ない食材でアレルギーが出る方もいますので一概にはいえませんが、大きく見れば犬猫人ともに、アレルギーが出やすい食材あまり違いはないと言えるかと思います。
農薬
プレミアムキャットフードで人が食べるものと同レベルの食材を使用しているといった場合でも、スーパーで販売されている食材のように農薬などは使用されています。
農薬にアレルギーが出る人や犬は割合としては非常に少ないので、皆さん一般に販売されている食材を食べても問題がないのですが、一部にアレルギーがでる方がおり、そうした場合にはオーガニック(有機栽培)が唯一の選択肢になってきます。
このためドッグフードでも農薬アレルギーを避けるためにはオーガニックドッグフードを探すことになります。しかしオーガニック=無農薬ではありませんので必ずしもそれで改善されるとは限りません。
食品添加物
食品添加物は着色料や保存料などです。ビタミンや鉄など栄養添加物も食品添加物です。
食品添加物でアレルギーが出る場合の食べ物選びは、非常に難しくなってきます。
というのも、調理済みの既製品はほとんどが食品添加物が使われています。食品添加物というと着色料、酸化防止剤、保存料などをイメージしがちですが、不足しているビタミンなどを補う栄養添加物もあります。
現在だと缶詰のような密封殺菌方法であれば、食品添加物を使用しないで作ることができますが、その場合は総合栄養食にすることが非常に難しくなります。
ドライフードでは食品添加物を使用しないで作ることは不可能です。肉類などに含まれる脂肪分の酸化が抑えられませんし、魚油なども異臭がし始めるでしょう。
異臭!絶対食べないですね…
細菌による腐敗は水分をなくすとなど方法がありますが、全く添加物を使用せずに酸化を抑えることは不可能です。
また食品添加物のアレルギーだったとしても、どの食品添加物が原因なのかを特定することも並大抵のことではありません。
更に、総合栄養食の場合はどうしても栄養添加物での栄養補助が必要です。
私は今まで食品添加物のアレルギーだとわかっている犬猫に出会ったことはありませんが、一定数はいると思いますし、食事は相当に限られ、大変なことと思います。
食物アレルギーによる下痢
アレルギーというと痒みや皮膚炎がイメージしやすいかと思いますが、症状のひとつに腸炎の症状があります。
皮膚炎などで痒がりつつ、下痢になることも多いので、犬を毎日しっかり見ていれば、もしかしたらアレルギーではないかと予想することができます。
もし食物アレルギーだと思ったらどうすればいいですか?
食物アレルギーの場合は原因となる食物を取り除く必要があります。
しかし厳密に特定するためにはひとつずつ取り除いた食事を食べてアレルギーが出るかどうかを繰り返し検査していく必要がありますので、長い時間と手間がかかります。
もちろん獣医に協力してもらって行うので医療費もかなりかかるでしょう。
こうしたことから、獣医師と相談しながら食物アレルギーがでないフードに変更してしまう方法を取るのが一般的です。
個人で安易に判断してしまうと違う原因なのに、フードだけ変えてなにも変わらないということも起こりますので注意しましょう笑
ドッグフードを変更して下痢が治ったら成分を見直すべき
例えばチキンが下痢の原因だった場合は、いくらドッグフードを変更してもチキンが入っていれば下痢が続きます。
現在与えているドッグフードから、上記で紹介した高タンパク質源を見つけて、それを除いたドッグフードに変更してみましょう。ここでは便宜的にチキンで話を進めてみます。
チキンを除いたドッグフードを与えてみて下痢が治ったらそのチキンが原因である可能性が少しあがります。
なぜ少しなんですか?
ドッグフード自体を変更してしまうのですから、原材料のほとんどが変更されますし、食品添加物も農薬の種類、有無も変わってきます。
ドッグフード自体を変更するということはほぼ全ての条件が変わるということですので、必ずしも「チキンが入っていないフードに変更したから下痢が治った」とは言えない状態だからです。
とはいえ、症状が出ないことを優先すべきです。
原因となる原材料は根拠を持って避けるようにしてください
こうなってくるといずれ「もしかしたらチキンが原因じゃないかも?」という気持ちも残ると思います。
その場合は必ず獣医師に相談の上、おやつなどでかなりの少量から試してみてもいいでしょう。もしそれでアレルギーが出ないのであれば、愛犬にとっては食べれるものが増えることになり、食生活が向上します。
逆に飼い主が根拠がないまま「チキンがダメなんだ」と思い込んでしまえば、愛犬は生涯チキンを食べることができなくなってしまいます。
これは犬の食育を考えたら非常に寂しいことです。
アナフィラキシーショックに注意
アナフィラキシーショックとはアレルギーの原因物質が体内に入った場合、全身に症状が表れて生命に危険を感じるほどの過剰反応が出ることをいいます。
酷ければ意識を失い失神したり、最悪の場合は死んでしまいます。
今回の場合は、ドッグフードを食べたら食物アレルギーのような症状が出たというケースでお話をしていますので、量などによってはアナフィラキシーショックが出る可能性があります。
検査のために原因物質を与える場合は獣医師と相談のもと、十分に注意して行いましょう。
低アレルゲンフードを試してみるのもいい
タンパク質がアレルゲンになりますので、タンパク質を予め分解した加水分解タンパク質を使用すること低アレルゲンフードとしているものがあります。
これらは療法食になりますが、アレルギーが出にくくなる可能性を探ることができます。
特に米はアレルゲンになりにくいと考えられています。さらに加水分解タンパク質を利用することで低アレルゲンフードにしているものが多いように思います。
消化不良による下痢には食物繊維を
内臓が弱い
見逃してはいけないのが消化不良です。内臓が弱い場合、食べたものをうまく消化できなかったりして下痢になる場合があります。
これは健康といっていいかは難しいところですが、人でも健康だけど少し内臓が弱くてちょっとしたことで下痢をしてしまう人もいます。
こうした場合には食物繊維の力を借りることも有効です。
食物繊維は適量であれば便をまとめることができますし、こすり取るようにして腸内を綺麗にする作用もあります。
また、適度な食物繊維は腸内細菌の餌や住処にもなりますので、環境改善にも効果的だとされています。
このため食物繊維が少ないドッグフードにすることで下痢になっている場合もあります。
グレインフリー(穀物不使用)は繊維質が少ないもの多いから、それが合わないって場合もありそうですね!
体温が下がっても下痢になりやすくなる
有名な栄養学者の河嶋四郎さんの本(食べ物さん、ありがとう)によれば、有名な栄養学者川島四郎さんの本(食べ物さん、ありがとう)によれば、人間は体温が低くなると内臓の動きが悪くなり、消化がうまくいかずに食べ物が腐ってしまって、体が早く排出しなければと考えて下痢になると書かれています。
このように食べ物が体内に長く留まっても下痢になってしまうということなので、その場合には適度に食物繊維を摂取するといいかもしれません。
まとめ
- 犬が下痢になる要因は病気、誤食、食物アレルギー、消化不良など
- 原因となる要素がたくさんあるので、個別に原因特定が必要
- 人と同じように犬も健康であっても内臓が弱いだけで下痢になる
- 心配な場合はすぐ獣医師へ
犬の下痢、血便には多くの原因があることがわかりました。素人判断では難しい部分があり、気になったらまずは動物病院へ連れていきましょう。獣医師の判断のもと、飼い主が取り組めることを判断し、改善策を行ってみるようにしましょう。