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黒ウコン抽出物「SIRTMAX®(サートマックス)」
株式会社常磐植物科学研究所が製造元であるサートマックス(SIRTMAX®)は、黒ウコンを抽出・精製したエキス粉末です。
そのサートマックスの効果に対する研究結果が2024年4月に発表されました。健常な犬に対してサートマックスを5mg/kg/日、28日間与えたところ、血中アディポネクチン濃度の上昇が確認されたというものです。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるタンパク質の一種で、インスリンの働きを助け、動脈硬化を防ぐなど善玉体内物質と言われています。
肥満、内臓脂肪蓄積時、糖尿病、高血圧では血中アディポネクチン濃度が低下することがわかっており、血中アディポネクチン濃度の上昇は抗肥満作用、生活習慣病や循環器疾患の予防にも効果的であるとされています。
アディポネクチンの作用
脂肪を燃焼しやすい体に
アディポネクチンは脂肪分解酵素を活性化することで抗肥満作用があります。血中アディポネクチン濃度が高いことで脂肪を燃焼しやすく、太りにくい体になる傾向にあります。
動脈硬化の予防
アディポネクチンは血管内の傷修復、血管拡張作用があります。このため心筋梗塞や脳卒中などを予防する効果が期待できます。
血糖値を下げる
血中アディポネクチン濃度が高まるとインスリンの働きを促進する力があります。
アディポネクチンは減量により増加する
アディポネクチンは内臓脂肪蓄積、肥満により血中濃度が低下しますが、減量により増加します。
犬の抗肥満作用に効果
サートマックスは株式会社常磐植物科学研究所による研究で様々なデータを取得されています。
- 血糖改善効果
- HbA1cを下げる
- 血中AGEs蓄積抑制効果
- SIRT1 mRNAの発現量増加
- 目の潤いサポート
- 肌質改善 等
中でも犬の脂質代謝改善効果についての研究が参考になります。
去勢した健康なオスビーグル4頭(うち2頭は5歳、2頭は8歳)を対象に2グループに分け、250gの通常食グループと、サートマックスを5mg/kg/日混ぜた食事を、それぞれ1日1回28日間与えた試験を行いました。
身体検査、安全性評価で変化はなく、有害であるとは認められず、試験下においては安全であると確認されました。
肝心の脂質代謝改善効果ですが、サートマックスを与えていたグループは血中アディポネクチン濃度の平均値が顕著に上昇した。その他の指標については変化がなかった。
これによって犬への経口投与で脂質代謝改善の効果があるものと考えることができるようになりました。
参考:SIRTMAX®(黒ウコン抽出物)のイヌにおける脂質代謝改善効果の影響 株式会社常盤勅物科学研究所(ペット栄養学会誌)
人の場合、高リスク高血圧患者は心血管疾患、腎疾患の発症リスクあり
2019年の研究では、血中アディポネクチン高値はが高リスク高血圧患者における心血管疾患・腎疾患の発症リスクと関係していることもわかっています。
基本的に血中アディポネクチン濃度を高めることは健康寿命の延伸に効果的であると考えられていため、高血圧患者の結果は大変驚くべきものであり、誰でも血中アディポネクチン濃度を上げれば良いということではなく、個々の状況に合わせなくてはならないことがわかりました。
犬や猫でも高血圧はある
犬や猫でも高血圧はありますが、基本的には甲状腺亢進症や腎臓病などによる基礎疾患が原因による二次性高血圧です。
猫の場合は慢性腎臓病が進むと高血圧を併発する確率が65%程度あると言われているようです。
黒ウコンとサートマックスの違い
サートマックスは黒ウコンを抽出・精製したエキス粉末で、黒ウコンの特徴成分であるKPMF(ケンフェリア・パルビフローラ由来ポリメトキシフラボノイド)で規格しているとのことでしたので、KPMFの含有量が規定以上であることを保証しているということであるかと思います。

KPMFの含有量が一定以下の場合はサートマックスとは認められないということですね。
なので、期待される効果が得られるようにということであるかと思います。
期待される効果が少なくても良い、効かない場合があることを認識していれば、黒ウコン粉末などを代用品として使っても、効果がある可能性はあるでしょう。
猫に対する試験、高血圧に対する作用について気になる部分ですが、サートマックスの今後の活用に期待したいところです。