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ヨーロッパ、フランスの猫事情最新レポート
久しぶりに海外の状況を報告したいと思います。今回はEU圏内、特にフランスに関するペット飼育事情のご紹介です。
なぜフランスなんですか?
EU圏内の中でも猫の飼育数はドイツとフランスが群を抜いて多いからです。
両国とも犬よりも猫の飼育頭数の方が多いこともわかっています。ヨーロッパ全体では半数以上の国が猫の方が多くなってきています。
ヨーロッパ全体で犬よりも猫の方が多くなってきているんですね。
FEDIAFなどを活用した独自調査では28国について調査しましたが、一部を紹介すると以下のようになっています。
国 | 犬 | 猫 |
---|---|---|
フランス | 21% | 29% |
ドイツ | 19% | 23% |
イタリア | 27% | 18% |
イギリス | 25% | 17% |
ヨーロッパのペット飼育数は猫が首位
ヨーロッパでは猫が首位。次いで犬、鳥、小動物、魚類、爬虫類と続きます。
動物 | 頭数 |
---|---|
猫 | 103,828,000 |
犬 | 85,184,000 |
鳥 | 50,212,000 |
小動物 | 26,794,000 |
魚類 | 15,493,000 |
爬虫類 | 7,848,000 |
※爬虫類はバルト諸国とスウェーデンを除きます
※鳥類と小動物、魚類はバルト諸国と北欧諸国を除きます
頭数で考えると犬と猫の差は広がる一方です。
EU圏内では8,000万世帯でなんらかのペットが飼育されています。
フランスの猫飼育事情
私がお聞きしてきた話と資料によると、フランスでは49.5%の世帯でペットを飼育しているとされています。2組の1組はなんらかの動物を飼っているということですので、日本よりもずっと多くの方が動物と暮らしていることがわかります。
このうち42%は犬か猫ということなので、ほとんどが犬か猫という結果です。
しかしフランスでは猫の人気がここ2年でも6.3%もアップするなど急拡大を続ける一方、犬の飼育数は年々減少を続けています。
年 | 猫(万匹) | 犬(万匹) |
---|---|---|
2000 | 976 | 904 |
2002 | 967 | 878 |
2004 | 994 | 851 |
2006 | 1004 | 808 |
2008 | 1069 | 782 |
2010 | 1096 | 759 |
2012 | 1141 | 742 |
2014 | 1268 | 726 |
2016 | 1348 | 734 |
フランスの世帯で1348万匹も猫が飼育されているんですか!!
飼育数が多い国のペットフード事情
飼育数が多いフランスでは従来の穀物が使用されたキャットフードの方が圧倒的に多く、グレインフリー、グルテンフリーの商品を見かけませんでした。
そこでフランスで暮らしている友人に通販事情などについて伺ったところ、まず日本ほど宅配事情が整っている国はなく、決められた日時に必ず届くという仕組み(考え?)がないということ。
「私の荷物が届くはずなんだけど、もう3週間経つけどどこにあるかわからない」なんて話していた位で、余り気にならないそうです。
配送ではなくスーパーで大量に購入する文化
基本的に車で郊外のスーパーに行って一週間分の買い物をするスタイルが主流であり、日本のように毎日チラシを見比べて買い物に行ったり、定期的に届くような仕組みはないそうです。
こうしたことからも、動物は家族として考えられ、ペットフードはプレミアムな流れになってきていますが、まだまだ主流とはいえないのが実情のようでした。
それだけ飼育されている数が多いと、すぐに買えてすぐに与えることができる環境が大切なんですね。
国によって違う配達事情
基本的に宅配がいつ届くかということを気にしていなかったり、フランス人がそうしたことに慣れていて気にならないそうです。
このため、フランスでのペットフードの販売チャネルは圧倒的にスーパーマーケット(約50%)であるというデータが出ています。
日本でもホームセンターやスーパーで購入する方は多いですが、通販が少ないということは考えられないですね!
なんとインターネットでの購入とペットショップでの購入がほとんど同じくらいで全体の5%程度だそうです。
インターネット購入がたった5%なんて日本との余りの違いに驚きました…
大手はマース、ネスレ、アフィニティ
フランスの3大メジャープレイヤーはロイヤルカナンやペディグリーを要するマース、ピュリナのネスレ、アフィニティです。
この3大メーカーだけで約80%のマーケットシェアを獲得しています。残りの20%にOEMブランドがひしめき合っている状態です。
構図は日本と似たようなところですね。でもヒルズが見当たらないようですが…
もちろんヒルズもメジャープレイヤーとして4大とすればヒルズ(コルゲート)が入ってきます。
この市場に、2017年からはIKEAが、2019年からはH&Mがペットフード業界に参入してきています。
家具と洋服の会社がですか?
それだけ市場が大きいということを表していると思います。
フランスには弊社の工場のグループ工場がありますので、ある一定の情報も入ってきていますが、やはりこうした販売事情からスーパーマーケットのオリジナルブランドも大きなシェアを獲得しているようです。
日本とは全く状況が異なることがよくわかりました。今後のペット事情も楽しみにしています!
まとめ
- フランスでは配送よりもスーパーマーケットで購入が半数を占める
- 配送事情に違いがあり、日本ほど整備されていない
- マース、ネスレ、アフィニティがシェアの8割を占めている
- 大きなマーケットを狙い、ペットとは関係ない会社もペットフードに参入してきている
フランスほどの先進国ですが、国によって大きく違いがあることがわかりました。配送に関しては日本がとても優れているんですね。フランスに行った際には是非ペットフード事情なんかも観察してみてください。