ジビエのキャットフードについて。ペットフードにするのは難しい?メリットデメリットも紹介

ジビエとは

押田敏雄先生とジビエの活用について話題にあがったところですので、今回はジビエのペットフードについて話してみたいと思います。

ジビエのペットフード活用に関して麻布大学名誉教授押田敏雄先生とお話させていただきました。

ジビエは家畜のように食用に育てるということではなく、野生動物の狩猟を行うことで得られる野生鳥獣の食肉です。代表的なものに鹿や猪、うさぎ、山鳩、熊やタヌキなどがあります。

スギさん
スギさん

鹿や猪のイメージが強かったんですが、うさぎや鳩もなんですね!

まだまだその位の認知度ですよね。こうしたジビエは狩猟後に90%以上が廃棄されています。これを有効活用することで命のリレーや雇用の創出などができないかと動かれている団体もいらっしゃいます。

その活用法のひとつにペットフードがあり、実際に活用されていますが、日本ではまだまだといったところです。

ジビエをペットフードに活用する難しさ

私はジビエの専門家ではありませんので、ペットフードを作る場合からの視点になってしまいますが、家禽とジビエでは大きな違いがあります。

食用に作られていない野生動物

1つめは、食用に育てられていないことです。このため安定供給ができません。ペットフード特にドライフードとしては今欲しいという時にある状態が必要不可欠です。

それも、ドライフードでは数トン単位で製造します。例えば10トンだとすると、ロニーキャットフードでは66%が鶏肉原材料ですので、乾燥鶏肉や生鶏肉など状態に違いはありますが、6.6トン以上の鶏肉原材料が必要になります。実際には水分や油分が一定量除かれたりしますから6.6トンでは足りません。

現状ではジビエをいつでも手に入るように整えることはとても難しいことです。

衛生検査など処理の標準化がされていない

2つめは、処理方法が画一化されていないことです。同じ動物の解体なので、どこでも大きく変わらないといえばそうなのですが、家畜(ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ)は解体処理方法や食肉衛生検査が画一化され、法に基づいて検査、流通されています。ジビエはこうした状況が必ずしも整っているわけではありません。衛生的な解体処理方法は常に検討されています。

人の消費が進んでいない

3つめは、人の消費が進んでいないことです。ペットフードの原材料は基本的に人用の肉の副産物を利用するところから始まります。

人の消費が進めば消費が増え、ジビエの確保を考えるようになり、消費者にとってもどんどん身近になっていきます。処理方法などは明確に規定され、流通網も発達していきます。身近になることでコストが下がり、利用しやすくなります。

原材料加工の幅が狭い

4つめは、原材料の幅の狭さです。現在は解体された生肉からの処理を考えなくてはいけません。

一般のドライフードでは生肉を使える環境にある工場の方が少なく、乾燥肉がメインで使用されます。鹿肉の乾燥肉ができれば保存も効き、量が確保できればドライフードにも活用できるかもしれません。

人気がない

人気がない言ってしまうと語弊があるかと思いますが、ドライ、ウェット関わらず、チキンやサーモン、カツオなどのキャットフードの原材料の王道と比べると、ジビエはあまり選ばれません。

この状態ではもしペットフードへの製造ラインが整ったとしても、販売数量が伸びなければ製造ラインの維持も難しくなってきます。

特に統計などを取ったわけではありませんが、人は自分が普段から食べるものを身近な食材だと感じ、安全な食材だと無意識に考えている部分があるかと思います。ジビエはまだまだ距離のある存在で、正直なところ「よくわからない」というのが一般の方の感想ではないでしょうか。

このあたりから考えても人にとってジビエが身近になることが、ペットフードとして活用する上でも大切なことではないかと考えています。

オセアニアにみるジビエの活用

オーストラリア、ニュージーランドではジビエのドライフードが多く作られています。日本でもよく販売されています。

オーストラリアなどは四季はあっても日本のように大きな気温や環境の変化まではありません。このためジビエも一年中確保することができます。カンガルーに至っては表だった天敵もいないため数量調整が必要です。

そんなオセアニア地区のペットフードでZiwiPeakは人気のキャットフードのひとつ。エアドライ製法を使用したドライフードです。

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スギさん
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高価ですが日本でも人気のフードですよね!

他にもアディクションのビバラベニソン、クプレラのベニソン&スウィートポテトなどがあります。

ZiwiPeakではありませんが、ベニソンに限らずラビットやイノシシを使ったものもあります。

日本ではまだまだ活用されていないジビエですが、栄養価の面からみてもキャットフードには適していますので、今後ますます活用されていくと思います。

ジビエのメリット・デメリット

メリット

ジビエといっても先に紹介したように色々な動物がいますので一概には言えないのですが、おおむね低脂質、高タンパク質です。

運動量の多く、いつでも食べられる環境にない野生動物は脂質が少なく、タンパク質が多い傾向にあります。

またジビエらしい匂いがあり、これが犬猫が好む場合があります

デメリット

血抜きを怠ると匂いがします。

しかし一番のデメリットは寄生虫やウイルスの問題です。しっかりと加熱する必要があります。

ドライフードの製造の性格上加熱不十分ということはないかと思いますが、こうした理由から製造環境も非常に重要になります。

まとめ

  • ジビエは野生動物の狩猟を行うことで得られる野生鳥獣の食肉
  • ジビエ活用にはまだ課題あり
  • オセアニアで有効活用されている
  • 低脂質高タンパク質でペットフードには向いている
  • 寄生虫やウイルスの問題があり、衛生環境が大切
スギさん
スギさん

私自身ジビエを食べたことがないので、ジビエにあまりピンときていなかったので、今後はどんなものがあるのかも含めて、意識してみてみようと思います。

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スギさん

新婚さんで妊娠中。子どもができたことをきっかけに家族の健康について考え、10歳を超えた愛犬愛猫の健康も考えるようになった。現在犬猫の食事について勉強中!

エノおじさん

10匹以上の猫を飼っているお酒が好きな元気なおじさん。大量のキャットフードを購入することもあり、安価でありながら安全なキャットフードを探している。
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