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関節の健康維持に効果的なグルコサミン
人の健康食品などでもよく「グルコサミン」という言葉を耳にすると思います。その多くは「膝関節の痛みに」といったアピールではないでしょうか。
グルコサミンとはカニやエビなどの甲殻類、動物の軟骨などに含まれているアミノ酸の一種です。
残念ながら年齢と共に体内で生成されるグルコサミンの量は減少し、それも影響して関節痛などが起こります。こうしたことから犬猫でもシニア用や関節の健康に配慮している製品などはグルコサミンを配合しているものがあります。
多少はグルコサミンが体内で生成されますが、このグルコサミンを摂取したいと考えても通常の食事では摂取することは難しいため、サプリなどで摂取することがおすすめされています。
カニやエビからグルコサミンが取れるイメージがわかないですね!どちらかというとアロエのような…
それはきっとヒアルロン酸をイメージしていますね。そのイメージは間違っていないと思いますよ。以下で説明していきます。
グルコサミンはカニやエビの殻から取れるのですが、だからといってそれをそのまま食べても分解ができずに吸収ができないそうです。なので、あくまで殻から抽出する必要があります。
生成されるグルコサミンが減ってくると起こる症状は?
最も知られているものが膝痛です。
犬の場合は散歩をしたりと歩行の観察時間が長く、足を引きずって歩くなど見た目にわかりやすいのですが、猫の場合は寝ていることも多いので判断が難しい場合が多いです。
- 歩き方がいつもと違う・異変がある
- 高いところに上らなくなった
- 触られるのを嫌がる
などから痛みがあるかに気付ける場合があります。
高齢になると同様の状態になるため、原因が特定しにくい
判断が難しいのは高齢になってくると関節痛が起こりやすくなるため、上記のような症状が加齢のために見えることです。もしかしたら加齢よりも直接的な原因は関節痛かもしれません。
また、寝る時間が長くなると筋肉も落ちてきてしまうので、結果的に余計に足を動かさなくなったりと、関節痛と同様の症状を表すようになりますのが判断が難しくなる理由のひとつです。
関節の健康維持にはグルコサミン以外にも必要な成分がある
関節痛にはグルコサミンが必要!と考えてしまいがちですが、グルコサミンはあくまでムコ多糖の構成成分のひとつです。このムコ多糖が軟骨の成分です。
ムコ多糖とは動物の粘性分泌液から得られた多糖の総称で、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸、ヘパリンなどを含みます。グルコサミンは…?と思うかと思いますが、グルコサミンはヒアルロン酸の構成成分のひとつであり、ヒアルロン酸=グルコサミン+グルクロン酸です。
グルクロン酸はコンドロイチン硫酸などの主要成分です。
このようにグルコサミンとコンドロイチン硫酸は一緒に配合されていることが多いかと思います。
グルコサミンの臨床試験結果を巡る議論
人の場合は臨床実験でグルコサミンの補給により、関節痛改善の有効性が言われていますが、効果がなかったという臨床もあり、明確にはわからないようです。
参考:アメリカ国立衛生研究所によりグルコサミン塩酸塩/コンドロイチン硫酸の変形性膝関節症に対する臨床介入試験結果についての見解
上記のようにコンドロイチンに関する臨床試験報告は探せばたくさん出てきます。また、臨床研究の仕方に問題がある、観察期間が短い、用量が足りないなど疑問点を指摘するものも見られます。
現状では断定ができないものと考えられますが、効果があるとした結果もあることや、現在サプリなどで人が使い続けて実感している方もいるので、私個人としてはその効果を否定することはないように感じます。
グルコサミンで心血管疾患リスクが減少!?
また、面白いものにグルコサミンサプリメントを常用する人は心血管疾患のリスクが15%減だったという研究結果もあるようです。
グルコサミンが含まれるキャットフード
まとめ
- グルコサミンはアミノ酸の一種
- グルコサミンはヒアルロン酸の構成成分のひとつ
- コンドロイチンと合わせて摂取する方法が多い
- 臨床試験結果ではまだ確実な効果はわかっていない
グルコサミンはコンドロイチンなど他の成分と合わせることが大切なんですね。臨床試験の結果はまだ確実ではないようですが、犬猫の関節痛について、またシニアで悩んでいる飼い主は与えてみるのも良さそうですね!