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GI値とは?
私ごとですが今年も弊社の決算の時期がやってきて、更に新商品であるドッグフードの発売の準備や、コロナによるコンテナ船の遅れ、新入社員の入社などでゆっくりする時間もないほど働き詰めで、完全に言い訳ですが私のルーティンのひとつである記事が書けませんでした。
まだ忙しい時期は続きますが、記事も更新できるように頑張ります。
さて、なんとすっかり説明した気でいたGI値。先日友人から質問を受けて、きちんと説明していなかったことに気がつきました。
キャットフードの学校内の記事中でも時々触れていたと思いますが、特に以下の記事でGI値に触れています。
GIとは食後の血液中の糖濃度を測ったものです。
GIが高ければ高GI食品とされ、人の場合で70以上の食品を高GIとしています。
高GI食品を摂取していると太りやすくなるんですよね…ダイエットの天敵、炭水化物ですよね…
キャットフード・ドッグフードの原材料で高GIな食品とは
ペットフードで使用される食品は限られています。例えば高GI食品である食パンを直接使ったキャットフードはないですね。ただ小麦を使用したキャットフードは存在します。
ペットフードによく使われるものとしては以下のようなものがあります。
白米、小麦、とうもろこし、じゃがいもあたりです。
ペットフードでよく見る原材料ばかりですね!
こうした原材料に関してペットフードオブザイヤーなどを発表しているGlycemic Research Institute®(グリセミック研究所)では、ひとつの見解を公表していて、私も直接Glycemic Research Institute®に確認を行いました。
高GI食品であっても、その利用方法から違いがあると話しています。
高GI食品である白米
これはもう当たり前といえるかもしれませんが、糖分を多く含む食品は高GIということになります。
お米といえば炭水化物であり、糖分ですから高GI食品であることは間違いありません。
出た…ダイエットの天敵…
玄米は低GIに分類
ただ面白いことに、玄米は高GI食品に分類されません。
これは私も最初は理屈がよくわからなかったのですが、同じgを摂取して高GIかどうかという考えになるわけですから、玄米には胚芽やぬかが含まれている分、白米部分の割合は少なくなります。
それに加え、ぬかや胚芽が食物繊維として、糖質の吸収を穏やかにします。
このふたつの理由で白米と玄米を同量摂取した場合には玄米の方がGI値が低いということになるようです。
ダイエットには玄米…と。
高GI食品である小麦
パンやパスタは高GI食品となりますが、この原材料が小麦です。
こうして考えると、主食となる炭水化物は高GI食品であると覚えればわかりやすいかもしれません。
ただ同じパンでもライ麦パンは低GI食品です。
ダイエットにはライ麦…と。
トウモロコシはペットフードには禁忌?
ここで紹介することは、あくまでGI値という面からみての話であることを忘れないでください。GI値から考えれば禁忌と言われていても、他の面では違ったメリットがあるからです。
上記リンクのトウモロコシについて解説した記事でも紹介していますが、こちらでも同様に紹介したいと思います。以下は犬について書かれていますが、猫は消化吸収が苦手ではあるので完全に一致ではありませんが、基本は同じように考えていいようです。
CORN IS CONTRAINDICATED
Corn is typically found in dog foods, and is a prime example of inappropriate pet food ingredients.
When is the last time you saw a dog grazing in a corn field?
Corn is the worst possible product to feed a dog, even in small amounts, as their metabolism reacts to corn extremely negatively.
Corn elevated blood glucose levels in the canine and feline, which causes skin problems, diabetes, and a plethora of other physical problems.
出典:Glycemic Research Institute®
「トウモロコシは禁忌です。トウモロコシは一般的なドッグフードに含まれており、ペットフードの不適切な成分として代表的な例です。犬がトウモロコシ畑で放牧されているのを最後に見たのはいつですか?トウモロコシは犬に給餌するための最悪の可能性のある原材料です。たとえ少量だったとしても、その代謝がトウモロコシにとてもネガティブに反応します。トウモロコシは犬や猫の血糖値を上昇させます。これは皮膚の問題、糖尿病、その他にも多くの身体的問題を引き起こすものです。」
Glycemic Research Institute®は血糖に関する研究所なので、血糖について厳しい目線もあるかと思いますが、ペットフードにおいてトウモロコシは血糖を上げてしまう非常にネガティブな原材料であるとしています。
しかし、これではまるでトウモロコシが悪者であるかのような誤解を招きますが、あくまで血糖値の上昇に関しての話ですので、それ以外の意味で必ずしも悪いということではありません。
トウモロコシは馬、リス、アヒル、ニワトリ、その他の鳥など、特定の動物にとっても有益です。
ダイエットにはトウモロコシ…じゃない!
じゃがいもは使用法で違いがある
じゃがいもは高GI食品としてよく引き合いに出されます。しかしトウモロコシとは少し違います。
Glycemic Research Institute®によれば、じゃがいもの場合は製品のタンパク質と炭水化物のバランスが重要であることがわかっており、じゃがいもが含まれることで、必ずしも得られる血糖指数と負荷が決まるわけではないとしているからです。
それならグレインフリーは肉類が豊富で高タンパクなキャットフードが多いから、一概に高GIだとは言えないんですね。
ステーキにじゃがいもの付け合わせなんかはよく考えられていますね…!
そうなりますね。ステーキにじゃがいもの付け合わせはGI値を考えてそうなったとしたら相当に凄いことだと思いますが(笑)
ともあれ、結局はバランスですから、タンパク質が低くてもそれに合わせてじゃがいもも少量であれば問題がないということになります。逆に言えば、高タンパクなキャットフードには多少量を多くじゃがいもを使用できるともいえますね。あくまでGIの面からみた場合のみの考え方ですから、栄養素まで考えた場合にはこの限りではありません。
穀物は高GI食品であり、グレインフリーは比較的低GI食品となる
上記のように穀物は高GI食品ですので、必然的にグレインフリーは低GI製品になる傾向にあります。
高GI製品を避けたいという場合にもグレインフリーは選択になってきます。
猫が健康であれば低GIであることは結果論でいいのかもしれない
人も猫も同じですが、食事とは相性がありますので、GIばかりを気にすると合うキャットフードを探すことが難しくなってしまいます。
愛猫にとって穀物入りがいいか、グレインフリーがいいか、どれを食べてくれるのかといった「食べてくれる」という部分を優先して、結果的にそれが低GI食品だったら尚よいという位で考えてみるのがいいかもしれません。
また、犬と猫では糖尿病のタイプが違い、猫の糖尿病の場合には食事コントロールが重要になってきます。
つまり猫の場合は低GI食品を摂取することで太りにくいというメリットも享受しつつ、少なからずは糖尿病の予防になる可能性も含んでいます。
低GI食品イソマルスローツが注目
現在欧米諸国では肥満犬が50%を超えているともいわれており、低GIペットフードへの関心が高まっています。
新しい情報ではドイツのBENEOが天然の糖類のイソマルツロースについての見解を発表しました。
イソマルツロースははちみつに微量に含まれている他、一般的には甜菜から抽出した糖を発酵処理して作られます。人、豚、齧歯類では消化吸収が遅く、低GIであることがわかっていましたが、研究により犬でも同様に低GIであることがわかりました。
消化吸収が遅い分、脂肪のエネルギー利用率が高まるという点も魅力です。
今後ペットフードに配合される可能性も考えられるかと思います。
参考:New study confirms low glycaemic properties of isomaltulose in dogs
まとめ
- GIとは食後の血液中の糖濃度を測ったもの
- 穀物は高GIに分類される
- 特にトウモロコシは禁忌
- じゃがいもはタンパク質とのバランスによる
- 糖尿病には食事療法が有効となる。低GI食品が糖尿病の予防になる可能性がある
GIを学んでいたらついダイエットが頭に浮かんでしまいました…それとなくGIを気にするようにして、糖尿予防ができるような知識もつけられたらいいなと感じました。