アラビアガムとは
アラビアガムはアカシア属のアラビアゴムノキの樹皮に傷を付けて出てきた分泌物を乾燥させたものです。アカシアから取るので海外ではアカシアゴムとも言われています。
日本でもEUでも認可されていて食品添加物としてチューインガムの機材として使用されたり、乳化剤としてアイスや飲料に使用されています。飲料で最も有名な物はコーラ系飲料です。アラビアゴムがないと甘味料が沈んでしまい、透明な飲料になってしまうため、沈殿や分離を防ぎ、混ざりを安定化させるために使われています。
ガムシロップのガムはアラビアガムのガムと言われていて、以前はアラビアガムが使われていました。
また難消化性であることから水溶性食物繊維としても効果があることがわかっています。
アカシアガムのペットフードへの利用
アラビアガムはドライフードの加工助剤としてしようされます。例えば柔らかさや保水性を高める質感向上剤としてや、ペットフードの繊維源として活用されます。
日本でもよく見られる用途ではペット用歯磨きガムです。
アラビアガムの安全性について
アラビアガムの成分はガラクトース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸、タンパク質から構成されており、8割が天然の糖類から作られています。
アカシアガムは利用可能な毒性試験において有害影響が認められなかったことに基づいてADI(一日摂取許容量)は特定しないとした。
成人が経口一日摂取量30,000mg/人/日a(約430mg/kg体重/日に相当)までに及ぶ大量のアカシアガムを最長18日間摂取しても有害影響は認められなかった
参考:欧州食品安全機関(EFSA)、食品添加物としてのアカシアガム(別名:アラビアガム)(E 414)の再評価に関する科学的意見書を公表(2017)
欧州食品安全機関(EFSA)は4月29日、全動物種に使用する飼料添加物(アカシアガム)の安全性及び有効性に関する科学的意見書を公表しました。
肥育用鶏で280 mg/kg完全飼料、肥育用七面鳥で375 mg/kg完全飼料、ウサギで400 mg/kg完全飼料、子豚及び肥育用豚でそれぞれ500及び600 mg/kg完全飼料、肥育用牛で1100 mg/kg完全飼料、子牛及びサケ科魚類で1250 mg/kg完全飼料まで安全である。~動物栄養における当該添加物の使用は、消費者にとって安全であると考えられる。
出典:Safety and efficacy of a feed additive consisting of acacia gum (gum Arabic) for all animal species (A.I.P.G. Association for International Promotion of Gums)(2022)
出典:欧州食品安全機関(EFSA)、全動物種に使用する飼料添加物(アカシアガム(アラビアガム)からなる)の安全性及び有効性に関する科学的意見書を公表
2005年に日本でラットを用いた90日間反復投与毒性試験が実施されています。試料中に0%、1.25%、2.5%、5%の濃度で混ぜ、90日間自由摂取をさせたが、結果的に死亡例はなく、異常もみられませんでした。結果的にこの実験からはアラビアガムの無毒性量(NOAEL)は5.0%と算定されました。
コーラを毎日飲み続けている人もいるのでそれだけでもアラビアゴムの安全性は担保されそうですね…笑
添加物の安定剤にも使用される
アラビアガム自体が食品添加物ですが、アラビアガムはビタミンなどの食品添加物の安定剤として、つまり食品添加物の食品添加物としても使用されています。
面白いですね!
こうした例はもちろん他にもあります。例えばシクロデキストリン。親油性と親水性という異なる能力を併せ持っているため、酸化されやすい物質を安定化させることができます。シクロデキストリンの話はまたとしますが、アラビアガムもその特性を生かして、他の食品添加物にも含まれていたりします。