目次
キャットフード・ドッグフードの原材料として使われるハーブ・スパイスの解説
キャットフード・ドッグフードに使用されているハーブで最も多いのは天然の酸化防止剤としての利用ですが、ハーブを入れることで匂いや食感も変わりますね。
ハーブというとリラックスや漢方のようなさまざまな効果効能がイメージされますが、キャットフード・ドッグフードにもそうした効果効能があるんですか?
ドライフードは高温で処理して作られるので、熱に弱い成分は効果効能があるとは言えませんが、キャットフード・ドッグフードは水分が10%以下程度残っていることからも、一定の効果効能は期待できます。
ハーブという項目が明確ではないのでスパイスとも言えたり、それは野菜に分類されるのでは?ということもあるかもしれませんが、思いつくものを解説していきたいと思います。
- ペパーミント(西洋ハッカ)
- オレガノ
- セージ
- マジョラム
- タイム
- マリーゴールド
- カモミール
- チコリ
- パセリ
- ローズヒップ
- 西洋イラクサ(ネトル)
- アニスの実
- フェヌグリーク
- ユッカ
- シナモン
- スピルリナ
などがあります。スピルリナはこの中でも一番注目の成分です。スピルリナは微細藻類でハーブともスパイスとも言えないかもしれませんが、野菜ともいいにくいのでこちらで紹介します。
名前は聞いたことあるものが多いですが、どんなものか知らないものも多いです。
それではここで詳しく説明していきましょう。
ハーブの効能
ハーブには多くの効果が言われていて、科学的に証明されたものもあれば、そうでないものもあります。抗菌、鎮静、鎮痙、消化器官改善、免疫力向上などがよく見られる効能です。
シソ科
猫が好きなキャットニップ(イヌハッカ)に代表されるシソ科の植物が一番多いという結果に。シソ科は猫にとって有害となるハーブはないと思います。
ペパーミント(セイヨウハッカ)
鎮静、鎮痙、抗菌、防腐、発汗、利尿、中枢神経系(脳)の機能亢進、胃腸の機能調整
オレガノ
消化促進、強壮、鎮静、殺菌
セージ
抗菌、抗ウイルス、防腐、収れん、制汗、内分泌調整
マジョラム
鎮静、鎮痙、消化促進、食欲増進、利尿、強壮
タイム
抗菌、殺菌、抗ウイルス、防腐、去痰、利尿、強壮、鎮痙、疲労回復
キク科
キク科はマーガレットやデイジー、ダンゴギクなどが皮膚炎や嘔吐を引き起こします。
マリーゴールド
防腐、収れん、抗ウイルス、抗痙攣、ホルモン様、抗炎症、発汗、解毒、利尿
カモミール
鎮静、抗炎症、抗痙攣、発汗、消化促進、抗菌、殺菌、利尿、嘔吐予防
チコリ
駆風、緩下、利尿、消炎、消毒
イネ科
パセリ
利尿、抗炎症、鎮静、血圧降下
バラ科
バラ科はフルーツでも話したように青酸を含む未熟果、種に注意しなくてはいけません。
ローズヒップ
鎮静、消化促進、強壮、抗酸化、緩下、利尿
イラクサ科
イラクサ科はイラクサの葉っぱと茎の刺毛が嘔吐などを引き起こしますが、西洋イラクサ(ネトル)と日本イラクサは学術名が異なり、別物ですので注意が必要です。
西洋イラクサ(ネトル)
収れん、利尿、抗アレルギー、強壮、血液浄化
セリ科
セリ科は概ね有害ではありませんが、ドクゼリはそのものが毒を持つ植物なので科は関係なく有毒です。
アニスの実
消化促進、駆風、去痰、防腐、消臭
マメ科
主食並みに食用に用いられるマメ科植物ですが、エニシダ、クララ、トウアズキ、ニセアカシア、キバナハウチワマメなど猫に関わらず有毒植物が多い科です。
フェヌグリーク
脂肪蓄積抑制、血中コレステロール低下
リュウゼツラン科
観葉植物としてよく飾られているドラセナは全草に毒を有しています。
ユッカ
動脈硬化の予防、高血圧の予防、高脂血症の予防改善、肥満防止、整腸、便秘
クスノキ科
アボカド、月桂樹は嘔吐の原因になります。
シナモン
鎮静、鎮痛、血圧改善、老化防止、血行促進、抗菌、駆風
スピルリナ科
スピルリナ
免疫力向上、便秘改善、肥満改善、生肌、コレステロール値、血糖値改善、鎮静、貧血改善
一部参考:ハーブのちから
ハーブやスパイスにはまるで薬のような効果効能が言われているんですね!この中からキャットフード・ドッグフードに入れるハーブをどうやって選んでいるんですか?
キャットフード・ドッグフードに入れるハーブの選び方
私の場合は犬猫が普段の生活の中で摂取する可能性の高いものが選びました。より自然な食事に近くするためですね。それと合わせて効果効能で選択していきます。
また、キャットフード・ドッグフードの生産地も大きく影響します。大量に製造されるので、その分のハーブを継続的に確保できない、または確保できても高額になる場合は選択肢から外すことになります。
日本ならではの原材料はありますか?
シソ、ワサビ、サンショウ、アシタバなどがあるようですが、キャットフード・ドッグフードではみたことありませんね。シソなんてキャットニップもシソ科ですから良さそうな気もしますがどうでしょうね(笑)
猫が大量摂取してはいけないハーブは
ハーブの中には猫が大量摂取してはいけないものがあると言われていますが、薬やカロリー、塩分でも大量摂取してしまえば毒になり得ます。
キャットフード・ドッグフードに配合されているハーブは極少量で、大量摂取まで配合することはないので安心してください。
好き嫌いがわかれるハーブ
ハーブは様々な効能がありますが、人間でも好き嫌いがわかれるように、ハーブは猫も好き嫌いが分かれます。
高級で考えられたキャットフード・ドッグフードほど犬猫の好き嫌いがわかれる
ハーブは多くの効能を持ち、動物にも効果が認められたものも多いものですが、人間でも同じように匂いや味は好き嫌いが分かれます。
例えばパクチーなどは人間でも好きな人と嫌いな人がとても分かれるハーブのひとつではないでしょうか。
高級で考えられたキャットフード・ドッグフードほど犬猫のことを考えた上でハーブやスパイスを選定して配合しているものが多く、これが好き嫌いを生む結果になることがあります。
このため食べなかったから悪いというものではなく、むしろ安く癖なく作られたものの方が犬猫は嫌わずに食べることがある点を忘れてはいけません。
猫は食べ慣れない、見知らぬものを嫌う
特に猫の場合は多くが安価なキャットフードを食べなれているということも大きなポイントです。
食べ物も同じで、今まで食べなれていたものから匂いが唐突に変われば、食べなくなることは想像できます。まして肉量が多く、ハーブを配合しているプレミアムフードの場合、穀物の多いキャットフードに比べて匂いは野性的になります。
また、見知らぬものを嫌う猫ではありますが、安定した生活の中では新しいものを好んだりと反応を示し、ストレスの多い環境下ではより慣れたものしか食べないといわれています。
スーパーフードの王様 スピルリナ
冒頭でおすすめしたスピルリナについて話していきましょう。
スピルリナはらせん状の緑色の藻です。幅0.005mm、長さ0.3mm程度の単細胞微細藻類です。
まるで緑黄色野菜のような栄養素に良質なたんぱく質を併せ持つ
藻が緑黄色野菜の各栄養素と良質なたんぱく質を持っているとなればその凄さがわかると思います。野菜と肉がくっついたような食べ物といえます。
スピルリナは動物と植物の両方の特徴を併せ持った非常に珍しい原始的な生物です。
余りにも豊富な栄養素を持ちながら、吸収消化率に優れ、酸性になりがちな体を弱アルカリ性に戻す
免疫力を高め、貧血を改善し、腸内環境を改善し、疲労回復、アレルギー症状の緩和、高血圧や肥満防止、あげく放射性物質の排出効果まであると言われています。
ただし過剰摂取は禁物。少ない適度な量を継続して摂取することがいいとされています。
最近はこのスピルリナを配合したキャットフード・ドッグフードも出てきました。今後も多く配合することはないと思いますが、注目していきたい成分です。
まとめ
- 猫が自然界で摂取する可能性のあるハーブを選んでいる
- 多数の効果効能がある
- ハーブによって猫の好き嫌いが出ることがある
- スピルリナに代表されるスーパーフードもある
キャットフード・ドッグフードには多くのハーブが使用されていることがわかりました。それぞれの効果効能もわかり、愛猫・愛犬にとっていいキャットフード・ドッグフードを選ぶ際の参考になりそうですね!