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ペットフードに放射性物質が含まれているようなことはあるのか?
放射能の話は賛否両論があり、ネガティブイメージで一部地域の方に迷惑が掛かってしまう可能性があり、話しにくい内容ではあります。しかし質問が多いので少しだけ話してみたいと思います。
今回は「ペットフードに放射性物質が含まれていることはあるのか?」という観点から話していきたいと思います。答えからお話すると、ペットフードに放射性物質が含まれていることはあります。フードだけでなく、猫砂などに含まれていた例もあります。
猫砂ですか!原料の木材が汚染されていたということですよね…
そうですね。このようにフードだけでなく、どんなものにしても汚染されている可能性はあるということを念頭に置き、キャットフード・ドッグフードについて考えてみましょう。
世界の原子力発電所の事故
まずは原子力発電所の事故についてみてみます。
INESレベル7(深刻な事故)
1986年 チェルノブイリ原子力発電所事故(ウクライナ)
2011年 福島第一原子力発電所事故(日本)
INESレベル6(大事故)
1957年 ウラル核惨事(ソ連)
INESレベル5(事業所外へリスクを伴う事故)
1952年 チョークリバー研究所原子炉爆発事故(カナダ)
1957年 ウインズケール原子炉火災事故(イギリス)
1979年 ゴイアニア被ばく事故(ブラジル)
事業所外へリスクを伴う事故以上のレベルだけでも6回の事故が起きています。中でも福島第一原子力発電所の事故は深刻です。
重大な被害があったチェルノブイリは即刻コンクリートで封鎖されましたが、福島第一原発は現在でも改善されていない状態です。
一番大きな事故が日本で起きた福島第一原発の事故なんですね…
以上のことからもあくまで可能性としては、国産の原材料が最も汚染されている可能性が高いといえるかもしれません。
キャットフード・ドッグフードの原材料や産地
残念ながら原発事故を起こした国から考えるのであれば、現在最も注意しなくてはいけない原材料は日本の水産物ということになってしまうと思います。
ただし福島県は水産物のモニタリングを継続して行い、採捕・出荷制限も行っていますのでどう考えるかは受け取り手それぞれの考え方によるところです。
品質に自信のある国産原材料の信用の低下は日本国民としては悲しいものがありますね。
キャットフード・ドッグフードの原材料は世界各地の材料が使われています。それぞれの国で国産のものは当然使われていますし、安定した原材料供給源を求めて他国から輸入している材料もたくさんあります。
決して近くの国から輸入しているだけではありません。EU諸国であっても中国などアジアから輸入している原材料はさつまいもを代表に、たくさんあります。またアジアに工場を持ち、EU諸国の原材料を使っている工場もあります。
このことからも「どの国で製造されているから大丈夫というものではない」ことは知っておいてください。
国産農産物の輸出状況とペットフードへの影響
日本の農産物も世界中に輸出されているんですか?
日本の農産物の輸出は多くありません。統計では57位(2012年)となっています。主な輸出先は香港、アメリカ、中国、台湾、韓国、タイ、ベトナム、などアジア中心です。
それも加工食品が多くを占め、畜産品や穀物、野菜、果実などの輸出は少なくなっています。
日本の水産物の輸出はどうですか?
アメリカにはぶり、タイにまぐろ、かつお、さば、カナダにひらめ、かれい、さば、ロシア、フランス、ドイツ、カンボジアにさばの輸出が多くなっています。
ただしどの国もペットフードへの影響は軽微であると考えられ、日本でキャットフード・ドッグフードを購入するのであれば、国産原材料による放射能の心配は国産のキャットフード・ドッグフードに限られるのではと考えています。
放射性物質の調査を公開しているペットフードはありますか?
例えばFinepet’sは独自に放射性物質の有無を調査公開しています。情報が2013年と古くはありますが、ヨウ素131、放射性セシウム134、放射性セシウム137の調査結果が不検出であることを公開しています。
福島第一原発の事故は2011年でしたので、日本全国がまだまだ放射能に対して敏感な時期であり、こうして調査し、結果を公表したものと思います。
このため2011年以降に放射性物質調査を行ったメーカーはいくつかありましたが、最近はあまり聞きませんね。
消費者が気にしなくなってきている証拠でしょうか。
現状は放射能汚染に関しては各社に任されている
人間の食べ物のように放射性物質の定期的な調査は行われていないんですね。一般の方が独自に調査され、ホームページなどで公表されている方もいらっしゃいますね。それらも参考にしたいと思います。
ペットフード全般には放射性物質の有無を調査する法的な縛りがないため、各社に任されています。このため製造会社や販売会社が完成品に対して放射性物質検査を行って公表する以外には個人で検査機関に委託して検査する以外、「このペットフードは大丈夫」と断言できる方法はないのが現状です。
決して国産が良くないということではありませんが、余り深く考えず、放射能の危険から少しでも遠ざかりたいという場合には、海外の原材料を使用しているキャットフード・ドッグフードの方が精神的な安心は得られるかもしれません。
放射性物質を体外に排出する原材料「モンモリロナイト」
放射性物質を体外に排出すると言われている原材料に粘土鉱物のモンモリロナイトがあります。
体内に溜まってしまった放射性物質を出せるんですか?
モンモリロナイトに含まれるミネラルは、外部にミネラルがあった場合に自分のミネラルと交換する習性があります。そしてモンモリロナイトはマイナスに帯電しているため、プラスに帯電しているセシウム、ストロンチウム、プルトニウムを吸着します。その吸着した時に自分のミネラルを吸着したところへ補給します。
凄いですね!チェルノブイリ事故の後にも市民に配られているんですね!
宇宙線で被爆しかねない宇宙飛行士も摂取しています。
キャットフード・ドッグフードにもモンモリロナイトが含まれている製品がありますよ。今確認できているものであればクプレラに配合されています。
まとめ
- ペットフードが放射能汚染されていることはありえる
- ペットフードの放射性物質検査は各社に任されている
- 放射能に関しては国産の原材料の方が汚染されている可能性は高い
- 検査機関に委託して検査することもできる
放射能に関しては残念ながら国産の原材料よりも海外産の方が安心できる可能性があるということでした。ただ国産だから放射性物質が含まれているということではなく、多くは含まれていないものの、含まれている可能性がありますというお話です。