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食品安全に関する認証について
食品安全に関する認証は各国にありますが、欧州ではフランス、ドイツなどで用いられるIFS認証(国際食品規格)、イギリスを主体としたBRC Global Standard(British Retail Consortium)の二種類が主流となっています。
世界的にはBRCの認証を取得している方が多いようですが、フランスではIFSを取得する企業が多いようです。
追記:イギリスがEUを離脱したブレグジット以降、IFS認証のみ更新している工場も多いとのことです。
以前は「イギリスではBRCを求められ、大陸ではIFSが求められた」と言われていましたが、両方ともISO(国際基準化機構)の基準をベースとし、食品の安全基準であり、GFSI(Global Food Safety Initiative)の認証も受けていることから、どちらも同等であり、片方認証を取得していれば問題がないと認識されてきています。
しかし取引先企業などによって両方の取得を求められる場合もありますので、そうした場合は両方の取得が必要となります。
ペットフード工場で取得される認証は?
ペットフードは人が食べる食品とは分けて考えられますので、IFS認証を取得する義務など強制的なものはありません。
しかしペットフードの場合でもほとんどの工場でIFS認証かBRC認証を取得していると思います。また、GMP(Good Manufacturing Practice・適正製造基準)を取得している工場もあります。
GMPは日本だと医薬品に対して使用されることが多いようですが、欧州では食品に対しても適用するようになってきています。
ここではまずIFS認証について解説したいと思います。
IFS認証(国際食品規格)とは
IFSとはInternational Food Standardの頭文字を取ったもので、日本語では国際食品規格となります。
製品の製造、包装課程、卸、輸送などでの汚染の危険性を監査するための基準です。
製品の製造から始まり、顧客に届くまでのほとんど全てに関して企画を設けているんですね。
もともと2003年にドイツの小売業者連盟が食品の品質や安全性に基準を設けるために製造、包装課程の面においてIFS Foodを発行したのがきっかけですが、フランス小売業者連盟がドイツ小売業者連盟と共に更新版を策定するなど、フランスで積極的に利用され、実績が長い規格です。
フランスではIFSの認証取得企業が多く、現在ではフランス、ドイツだけでなく、イタリア、スイス、オーストリアなども策定に関わり、スペイン、北米、アジアの情報も取り入れた国際的な安全基準となってきています。
なぜIFS認証を取得するのか
社会的な信用を得ることができることに加え、製造業、小売業者が独自の安全確認を行うためには、ルール作りからルールに沿った確認作業など多くの障壁があります。
既存の認証システムを取り入れ、第三者機関に審査してもらうことで、結果的に費用も安く収まり、時間も節約することができます。
また、第三者機関の基準に設定することで、自社のみではわからない点にも気付き対策を施すことができます。
日本貿易振興機構のジェトロでIFSの利点がまとめられていますので紹介します。
■製造・生産部門の利点
- 管理者と職員の間における、規定や製造手順等に関する相互理解の改善
- 食品規定への適合性の監視
- 資源の効率的利用
- 顧客監査の必要性の減少
- 独立した第三者による監査
- リスクベースの考え方に基づいた個々の工程の管理による高い柔軟性
■販売部門の利点
- 高品質で安全な製品の製造者としての評判の向上
- 第三者による監査を要求する顧客との取引が可能
- 最高基準の IFS のロゴと証明書の使用可能
IFSは食品規格。ペットフードに認証は必要か
ペットフードは人の食品ではないのに、IFS認証を受ける必要はあるんですか?
IFSは食品のための規格ですが、ペットフードもペットが食べる食品として、IFS認証を取得することで高品質な製造環境を構築、継続することができます。
また、製品としての一定の信頼を得ることで、食品には認証を義務付けているスーパーなどにも納品することができます。
もちろんIFS認証を取得しなくてはならないわけではありませんので、取得していない工場もありますが、多くはIFS、BRCのどちらか、または両方の認証を受けています。
認証の審査には認証機関から監査員を企業に送って審査が行われますので、ルールに則った公正な審査が行われます。
1年ごとに監査が行われる
IFS認証は一回取得したらしばらくは何もしなくても良いわけではなく、1年ごとに監査が行われます。運営中に2回会連続で重大な問題がなかった場合には1年半ごとに延長されます。
1年ごとなんですね!事業となれば1年なんてあっという間ではないかと感じます。
事業主体や従業員が変わることで少しずつ状況が変わってしまっても、1年ごとであればIFS認証に合わせて構築された環境を継続して見直すことができます。
まとめ
- IFS認証とはInternational Food Standardの頭文字を取ったもので、日本語では国際食品規格
- 製品の製造、包装課程、卸、輸送などでの汚染の危険性を監査するための基準
- ペットフード製造工場もIFS認証を取得している工場が多い
- IFS認証とBRC認証が主流
ペットフード工場でもIFS認証を取得している工場が多いことがわかりました。第三者機関による食品製造における認証を毎年受けているということは一定の信頼感に繋がるものだと感じました。