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イソロイシン(isoleucine)とは
イソロイシンは必須アミノ酸のひとつで筋肉中でたんぱく質合成を促し、分解を抑制します。
体内で作ることができないため、食事から摂取する必要があります。
イソロイシン、バリン、ロイシンを合わせてBCAA(Branched Chain Amino Acid / 分岐鎖アミノ酸)
イソロイシン、バリンとロイシンの3つはBCAAと呼ばれ、3つ合わせての摂取が考え方の基本となっています。
イソロイシンは被毛や肉球の質に影響するといわれています。
BCAAはスポーツサプリとしても使用され、筋肉量の維持以外にも運動時には効率のいいエネルギー源としても利用されます。
子犬のBCAAの欠乏は食事量減少を起こす
子犬にBCAAが不足した食事を与えると、食事量の減少が起り、体重の減少が起ります。
子猫のイソロイシンの欠乏は発育不良などを起こす
子猫にイソロイシン欠乏食を与えた場合、発育不良だけでなく、目鼻口の周りにポルフィリン様の染みができ、運動失調や肉球の皮膚脱落などが起きます。
参考:Hargrove DM, et al. Leucine and isoleucine requirements of the kitten. Br J Nutr 1984;52:595-605.
イソロイシンを含む食材
まぐろ赤身、カツオ、鰺、さんまなどの魚、鶏肉、牛肉、卵、チーズ、穀物、豆類などに含まれています。たんぱく質が豊富な食材に豊富に含まれていると考えてもよさそうです。
食品名 | イソロイシン(mg /100g) |
---|---|
かつお | 1,900 |
鰺 | 1,700 |
卵 | 1,360 |
まぐろ赤身生 | 1,300 |
鶏胸肉 | 1,200 |
チーズ | 1200 |
サンマ生 | 950 |
鶏もも肉 | 880 |
納豆 | 680 |
牛肉 | 610 |
牛乳 | 170 |
イソロイシンのペットフード含有量
AAFCOのドッグフードにおける基準値
栄養素 | 乾物ベース単位 | 成長期&妊娠期 最小値 | 成犬の維持期 最小値 |
イソロイシン | % | 0.71 | 0.38 |
参考:AAFCO DOG FOOD NUTRIENT PROFILES BASED ON DRY MATTER(PDF)
AAFCOの基準では子犬、妊娠期は0.71%以上、成犬の維持期は0.38%以上となっています。
AAFCOのキャットフードにおける基準値
栄養素 | 乾物ベース単位 | 成長期&妊娠期 最小値 | 成猫の維持期 最小値 |
イソロイシン | % | 0.56 | 0.52 |
参考:AAFCO CAT FOOD NUTRIENT PROFILES BASED ON DRY MATTER(PDF)
AAFCOの基準では子猫、妊娠期は0.56%以上、成猫の維持期は0.52%以上となっています。
まとめ
- ロイシン、イソロイシン、バリンの3つはBCAAと呼ばれている
- 運動量、食事量維持、肉球や被毛の健康に影響を与える
- 子犬、子猫では特に摂取が必要
特に成長著しい子犬、子猫にとって重要な必須アミノ酸です。既存のペットフードを食べている限り欠乏することは考えにくいですが、食事量や体重、皮膚被毛の健康に影響しますのでしっかり摂取したいところです。