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カンガルー肉のペットフード
日本では馴染みの少ないカンガルー肉のペットフードですが、オセアニアでは一般的です。
オーストラリアの大自然で育ったカンガルーの肉は低脂質、低コレステロールで高タンパクな傾向があります。赤身肉でベニソン、ウサギなどとともにメジャーなタンパク源となっています。
日本でもカンガルー肉を使用したドライフードやジャーキー、フリーズドライなどが販売されています。
カンガルー肉の特徴
- 高タンパク
- 低脂質
- 低コレステロール
- ビタミン、ミネラルが豊富
クセが少なく、さっぱりしていて食べやすいのでペットフード含む食用にも向いています。
以下を見ていただくと、鶏ささみほどのヘルシーさで、ダイエットや筋トレにも向いています。
項目 | カンガルー肉 | 牛もも肉(赤身) | 鶏ささみ |
---|---|---|---|
エネルギー | 約98 kcal | 約140 kcal | 約105 kcal |
たんぱく質 | 約22g | 約21g | 約23g |
脂質 | 約1g | 約5g | 約1g |
飽和脂肪酸 | 約0.3g | 約2g | 約0.3g |
鉄分 | 約3.2mg | 約2.5mg | 約0.3mg |
亜鉛 | 約2.4mg | 約4.0mg | 約0.4mg |
ビタミンB12 | 約2.0µg | 約2.5µg | 約0.3µg |
食物アレルギーの除去食にも利用できる
カンガルーは日本では一般的でない肉種なので、食物アレルギーのある犬猫の除去食として利用することができます。
カンガルーは見た目と裏腹に草食動物
マッチョなイメージのあるカンガルーですが、実は草食動物で肉食性の種類は存在しません。
草の葉、木の芽、葉、木の根、キノコ、昆虫などを食べています。
このため飼料や水もほとんど使わないため、エコロジカルな選択肢としても注目されています。
オーストラリアではカンガルーを駆除して食べる必要がある
日本では愛玩動物的な要素が感じられるカンガルー。およそ食べ物として認識している人は少ないのではないでしょうか。
オーストラリアでは古くからアボリジニが食料として活用してきた歴史があり、健康的な食材として食べられています。調理方法も煮込みやロースト、グリルなど豊富で、加工品も多くあります。
増えすぎたカンガルーによる獣害
そんなカンガルーですが、オーストラリアではカンガルーが増えすぎることによる害獣被害も生じており、駆除する必要があります。
日本での鹿と同じですね。
オーストラリアでは人口の2倍の数が生息していると言われ、5,000万頭も生息しているようです。
これによって農作物荒らされたり、家畜が襲われたり、自動車事故が頻発したりといった実害が生じています。
近年は商業的な狩猟が進み、減少することも
しかし商業的な狩猟が進んだことで減少する年も出てきました。
それによって狩猟上限が定められるようになりました。
カンガルーは親カンガルーが銃で撃たれて死ぬと、お腹の中の子どもカンガルーが取り残されて餓死してしまうため、動物愛護団体からの人道面での意見も出ています。
またカンガルーは種類が多く、絶滅が危惧されている種類もある一方で増える種類もあるというバランスが難しい一面もあります。
カンガルーの年間狩猟頭数(商業目的)
カンガルーの商業的な狩猟頭数(ハーベスト数)は、オーストラリア政府および各州政府によって毎年管理・報告されています。
以下に、近年の主要な統計をまとめました。
年度 | 総狩猟頭数(全国) | 備考 |
---|---|---|
2019年 | 約1,570,000頭 | 商業目的の狩猟数。ジョーイ(子カンガルー)は含まれず |
2022年 | 約1,266,000頭 | NSW、QLD、SA、WA、VICの商業狩猟区域における合計 |
2023年 | 約1,361,000頭 | 同上 |
これらの数値は、各州の商業狩猟区域における主要なカンガルー種(レッドカンガルー、グレーカンガルー、ワラルーなど)の合計です。狩猟数は、州ごとの個体数調査に基づいて設定された持続可能なクォータ(上限)の範囲内で行われています。
過去20年間の累計では商業目的で合法的に狩猟されたカンガルーとワラビーの数は約9,000万頭に上るようです。
ペットフードは国を挙げた産業のひとつ
オーストラリアやニュージーランドではペットフード産業は国を挙げた産業のひとつとなっているので、カンガルーを使用したペットフードも豊富に存在します。
実は輸出国は日本が多い
私は大変意外だと思ったのですが、2024年のオーストラリアからのペットフード輸出の輸出額が最も多いのは日本でした。アメリカを上回り、EUの2倍近い輸入額です。
日本 | 約1億1,081万米ドル |
アメリカ合衆国 | 約1億636万米ドル |
欧州連合(EU) | 約5,986万米ドル |
韓国 | 約4,581万米ドル |
コロンビア | 約4,475万米ドル |
台湾 | 約3,534万米ドル |
チリ | 約3,433万米ドル |
日本で人気のオーストラリア産のペットフードは多くありますが、とはいえ日本にオーストラリアからのペットフードがそれほど多いかというとそんなイメージはありませんでしたので、意外な事実でした。
これはカンガルーのみではありませんので、カンガルー肉の輸入量が多いかというとまた違った話にはなりますが、日本がいかにオーストラリアからペットフードを輸入しているかの参考にはなるかと思います。
まとめ
- 日本はオーストラリア産のペットフード輸入量が多く、入手しやすい
- カンガルー肉は鶏ささみと同じくらいヘルシー
- アレルギー除去食として使われる
- チキンやサーモンなどベーシックなフードを食べない時の選択肢にもおすすめ