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ドッグフード、キャットフードの粒の大きさについて
犬猫関わらず「小粒が良い」というお問い合わせがあるようになりました。
ここではペットフードの粒の大きさについて学んでみたいと思います。
因みに粒は翻訳するとgrainとなったりするかと思いますが、kibble(キブル)と言います。
人によって違う粒の大きさの感じ方
これも面白い話なのですが、ここ数年で子犬、子猫から迎えた方ほど小粒を好む傾向にあるようです。
成猫などを保護される方や、最近はあまり聞かなくなりましたが、捨て犬、捨て猫、野良犬、野良猫を拾ってきて育てたり、外猫を飼われている方ほどあまり粒の大きさを気にされません。この粒大きいけど食べられるかな?位は気にしたとしても、そこまでの小粒を望むことは少ない傾向にあります。
そうなんですか!?(笑)
これは私が出会った方の統計といいますか印象ですので絶対に正解というわけではありませんけどね(笑)
今の子犬、子猫用ペットフードはとても小粒
粒の小型化など生体や犬種などに合わせた変化はここ20年位で(2000年代位から)変わってきたことのひとつで、現代では子犬、子猫を迎える時にロイヤルカナンのマザー&ベビーなどベビー用やキトンをいただくことが多いのではないかと思います。
このベビー用が大変小さい。2~3mm位で小指の先位しかありません。初めて見たときは驚きました。
このベビー用などの超小粒を犬や猫を迎えた時のスタートとするのですから、一般のペットフードの粒が大きいと感じるのは当たり前です。
マッサンペットフーズの粒はどの位ですか?
弊社のフードは製品によって違いはありますが、概ね8mm程度で猫では中粒、犬では小粒に分類されますが、粒が大きいと言われる方もいらっしゃいます。
私は実際にカッターを見て、その上で切り出された粒も確認して8mmを選びました。工場にはもっと小さいカッターがいくつかありましたが、開発を始めた8年前位の時点では例えばロイヤルカナンのマザー&ベビー用位のとても小さいカッターはありませんでした。
有名メーカーの製品も製造している世界的な大工場でです。
粒の一般的なサイズは?
ドッグフードの場合は大体17~20mm位がビッグ、15mm近辺がレギュラー、8mm近辺がスモールに分類されます。
キャットフードの場合は大体12mm以下位で考え、12mm、8mm、5mm、3mmというイメージです。12mmだと大きく感じます。ビッグは大きすぎてを適用することがありません。8mm位が全年齢で食べやすく、きちんと噛むことも考えられるのでアジアでは適用されやすいサイズのようです。
日本では小粒が好まれる傾向
ヨーロッパ、アメリカだともうワンサイズ大きい方が好まれるようです。これは飼育する動物(特に犬)のサイズを表していると思います。
ヨーロッパやアメリカでは大・中型犬が多く、日本では小型犬が多いです。このため国によって好む粒サイズに違いがあります。
猫は大きさに違いがありませんが、8mm程度が平均的に好まれるようですね。
粒の大きさを気にされない方も多い
2000年代以前はペットフードの種類が今ほど多くなく、近隣でキャットフードを買ってきて与えるというのが一般的でした。
その頃ですと子犬や子猫、シニアという犬猫の状態に合わせたフードはなかったと言える位見かけないもので、犬種、猫種に合わせたフードとなるとまだ存在していなかったのではと思います。
こうしたことからも特に大体40代以降の方ですと粒の大きさをあまり気にされない方も多いです。しかしそれは愛犬愛猫のことを考えていないということではなく、「ペットフードとはそういうもの」と考えているだけなんですね。また、今までそれでやってきたわけですから必要性もあまり感じていないのかもしれません。
ペットショップがない地域も多いですし、なんでもインターネットで調べる人ばかりではありませんから、自身の経験で与えている方も多くいらっしゃいます。
本当に小粒が良いですか?
とても小粒のフードを好む方がいらっしゃいます。愛犬、愛猫がこぼさず食べたり、吐き戻ししないからということもあるかと思います。
しかし生物は成長してもずっと小さいものを食べ続けるということはなかなかありません。
犬猫は自分の体よりも大きな動物の肉でも引き千切って食べる動物です。
堅いもの噛むことで歯垢を落としやすくなったり、顎をしっかりと使うようになります。
元々犬猫は飲めるサイズになったら飲む生き物ですので、人のように積極的に噛んですり潰して飲むということをしません。このため小粒だと噛まずに丸呑みしやすく、そもそも噛む回数が減ってしまいます。その分食べこぼしなどは減りますが、それが良いかどうかという点では別の視点が必要です。
犬猫の大きさに合わせた粒のサイズを選んであげることも大切なことのひとつと言えるかと思います。
年齢別おすすめサイズ
子犬、子猫の時
犬猫ベビーの際はもし譲り受けた先から今まで食べていたものがある場合にはそれからスタートするのが良いでしょう。環境が変わって慣れない状態はなかなかご飯を食べてくれません。そこでドライフードまで変わると余計に敬遠してしまうことがありますので、新しい環境に落ち着くまでは元のフードを使いましょう。
落ち着いた後は子犬用、子猫用や全年齢対応など年齢に対応したフードであれば好きなものを与えて問題ありません。ただメーカーによって粒の大きさは違いますので、犬猫の口の大きさに対して粒が大きいなど物理的に食べられない場合は砕いたり、小粒のものを用意してあげてください。
ただ犬猫ともに赤ちゃんの時期はわずかです。すぐに体が大きくなってきますので、超小粒の2~3mmから始め、体のサイズに合わせて大きくしていきましょう。
成犬、成猫
猫は猫種によって極端に大きさが違うことはありませんので、基本的には好みで選んでいただいて問題ないかと思いますが、8mm程度を基準値として良いかと思います。
犬の場合は犬種によって何倍も体の大きさが変わりますので一概には言えませんが、小型犬であれば1cm程度を基準値として良いかと思います。8mm~1.2cm位がまずは与えやすいかと思います。
シニア
犬猫共にシニアは基本的に成犬・成猫と同サイズで問題ありません。
ただシニアの場合、15歳で元気な子もいれば、病気をしている子もいて、ほかの年代よりも状況が特に個々に違ってきますので、何かしらの理由で顎の力や飲み込む力が弱っている場合は小粒にしてあげてもいいと思います。
粒が大きくなると詰まりが心配。粒の形状による違い
今まであまり気にされなかったのではないかと思うのですが、例えば×(バツ)の形をしたペットフード。これは万が一粒が喉に詰まったときでも空気が通りやすいようになっています。
お魚や星形などもそうした効果が期待できます。
例えばバツの形状ですと縦横で計ると1cm位あったりして計測上は大きく見えますが、見た感じは小さく感じます。ポキッと折れてしまえばもっと小さく感じます。
とても良さそうですがなぜ選ばなかったんですか?
私がそれらを選ばなかった理由は、食べこぼしやすいと感じたからです。テストする際には色んな猫ちゃんに食べてもらうわけですが、形状も参考にします。
形状による好き嫌いは特に感じませんでしたが、咥えやすさには差があるようで、いびつな形のフードでも綺麗に食べられるかは犬猫の個体差が大きいと感じました。
ただ犬猫の食べ慣れもあると思いますので、テスト程度では信頼できる結果ではないと思いますが、フードはすぐ食べてもらえなければ選んでもらうことができませんので、私はいびつな形は選ばないでおきました。
なので決して悪かったから選ばなかったのではなく、丸や四角以外もそれぞれメリットがある形状だと考えています。