目次
リジンとは
リジンは必須アミノ酸のひとつで動物性たんぱく質に豊富に含まれています。このため手作りなどで穀類が豊富な食事の場合は不足しやすくなってきます。
たんぱく質の構成成分で成長ホルモンの分泌を促すなどの働きがあるので、特に成長期や療養期に必要になるアミノ酸です。しかし成長期に過剰摂取するとアルギニンが欠乏してしまう場合があります。
またリジンはエネルギーの元となるブドウ糖の代謝に関係しています。
リジンを含む食材
動物性たんぱく質に多く含まれていますので、鶏肉、牛肉、豚肉、チーズ、牛乳、魚などに含まれています。植物性でも大豆や納豆、豆腐、インゲン、きなこなどにも含まれています。
穀物が多い食事では不足する場合がありますので、手作りなどでは注意が必要です。
総合栄養食のペットフードを食べていて問題になるようなことはありません。
犬猫とリジン
ヘルペスウイルスの増殖、排出を促す?可能性
現在は真意が定かではないと考えられていますが、以前の研究でヘルペスウイルスの増殖を抑え、排出する効果があるといわれ、そうした効果を期待するサプリメントも販売されています。
サプリなどでL-リジンと書かれているものがありますが、リジンもL-リジンも同じですのでL-は無視してもかまいません。
免疫力を向上
リジンは細菌やウィルスの侵入を防ぐ抗体などの材料になることから免疫力にも関係しているとされ、呼吸器、皮膚、目などの病気予防を期待したサプリメントも販売されています。
ブドウ糖の代謝・集中力向上
ブドウ糖の代謝に関係しているため、エネルギーを作り出す作用に関係しています。朝ご飯を摂取することで脳が働くように、ブドウ糖の代謝は脳を働かせることで集中力向上効果が期待できます。
エネルギーを産出して貯蔵する肝臓の働きもサポートすると言われています。
疲労回復
エネルギーを作り出す作用に関係しているため、疲労回復にも効果的です。
リジンのペットフード含有量
AAFCOのドッグフードにおける基準値
栄養素 | 乾物ベース単位 | 成長期&妊娠期 最小値 | 成犬の維持期 最小値 |
リジン | % | 0.9 | 0.63 |
参考:2016_Midyear_Committee_Reports_w_cover (PDFファイル)
AAFCOの基準では子犬、妊娠期は0.9%以上、成犬の維持期は0.63%以上となっています。
AAFCOのキャットフードにおける基準値
栄養素 | 乾物ベース単位 | 成長期&妊娠期 最小値 | 成猫の維持期 最小値 |
リジン | % | 1.20 | 0.83 |
参考:2016_Midyear_Committee_Reports_w_cover (PDFファイル)
AAFCOの基準では子猫、妊娠期は1.20%以上、成猫の維持期は0.83%以上となっています。
犬と猫を比べると成猫の妊娠期が最も必要量が多くなっています。
まとめ
- リジンは動物性たんぱく質に多く含まれている
- 成長期に必要だが過剰摂取するとアルギニンが欠乏する
- ブドウ糖の代謝に関係するためエネルギー補給にも関係する
- ヘルペスウイルスの増殖を抑え、排出を促すと言われていた
- 免疫力を高める効果が期待できる
成長期や妊娠期に特に必要とされるリジン。総合栄養食のペットフードを食べていれば気にする必要はありませんが、手作りペットフードでは不足しがちなアミノ酸です。また以前は猫ヘルペスウイルスにも効果がある可能性が言われていたので気になる方は摂取してみてもいいかもしれません。