ドライペットフードの油分を洗い流してはダメ。必ずしも「ベタつく=油分が多い」というわけではありません

ドライペットフードを洗って使う

ドライフードには脂肪分、油分が含まれていますので表面がベタつくことがあります。この油分が体によくないと考えて洗い流して使われるケースがあるそうです。

確かにベタついていたり油っぽいと悪い物に感じやすいかもしれませんが、決してそうではありません。

ドライフードを洗ってはいけない理由

油脂には酸化対策を行っている

原則として脂質にはローズマリーエキスやビタミンE(トコフェロール)などの酸化防止剤が使用されています。各メーカー賞味期限内で問題がないように設定していると思います。

栄養素を脂肪分に溶かしている場合がある

脂溶性ビタミンなどは吸収しやすいように油脂に溶かしているケースがあります。これらも含めて総合栄養素の規定に沿うように設計が行われています。

洗い流すことで油脂だけでなく、ビタミンなど他の栄養素が流れてしまう可能性があります。

洗い流したドライペットフードを与え続けることで脂質欠乏症などになる可能性もあります。

飽和脂肪酸でコーティングしている

酸化しにくい飽和脂肪酸を含む油脂を表面にコーティングして蓋をすることで酸化を防ぐこともあるとのことです。

表面のベタつき具合は酸化や製品の良し悪しの指標にはならない

表面がベタついている、油分が多いから酸化している、悪い製品であるということではありません。

ドライフード中にはだいたい10~20%程度の油分が含まれていて、決して油分が少ない製品ではありません。

例えばえびせんのようなものをイメージしてもらうとわかりやすいと思うのですが、一見さらっとして見えるものの、置いておけばどうしても油が染みてきます。しかしそれと製品の良し悪しは別の話です。

製造時の油脂のタイプでも違いがあり、染み出すから油が多いというわけではない

お肉に付いている脂肪をそのまま使用するとどうしても脂肪が多く付いている肉もあれば、少ない肉もあり、ロットごとに違いが出てしまいます。また、同ロットの中でも大量の原材料を全て均一に混ぜることはできませんので(分けて混ぜる)、ロットの中でも違いが生じてきます。

このためドライフード製造ではより配合量の正確性を上げるため、別途精製した油脂を使う形になると思います。この時脂溶性ビタミンを混ぜたり、トコフェロールを混ぜたり、ローズマリーエキスを混ぜたりと精製方法にも違いがあります。

これによってベタつきやすいもの、溶け出しやすいもの、サラッとしたものなどテクスチャーに変化が起きます。人の感覚で考えるとサラッとしたものは品質が良さそうに感じますが、粘度が高いものの方が留まりやすい傾向にあります。

このようにあくまでテクスチャーの違いがベタつきなどに現れるため「ベタつき具合は酸化や製品の良し悪しの指標にはならない」ということに繋がってきます。

また、「ベタつく=油分が多い」ということでもないということは知っておきましょう。

油脂は必要な栄養素である

ドライフードにおける脂肪にはAAFCOなどで以下のように配合量の規定があります。

キャットフードの規定

栄養単位子犬・成長期
最小値
成犬
最小値
最大値
脂質%9.09.0

ドッグフードの規定

栄養単位子犬・成長期
最小値
成犬
最小値
最大値
脂質%8.55.5

このように油分でベタつくことと、油分の含有量、酸化の度合い、製品の良し悪しは別の話でイコールではないということを覚えておきましょう。

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