ペットフードに使われるペクチンとは。増粘剤、水溶性食物繊維など機能面にメリット

ペクチンとは

ペクチンとは、主に果物の皮や繊維質部分に多く含まれる多糖類の一種で、特に柑橘類(オレンジ、レモン、グレープフルーツなど)やリンゴから抽出されることが多くなっています。食品添加物としての分類では、増粘剤、安定剤、ゲル化剤として利用されることがほとんどです。

この物質は水に溶けることでゲル状になり、粘度を高めたり食材同士をまとめたりする働きを持ちます。そのため、ジャムやゼリー、ヨーグルト、ドレッシングなどの加工食品に広く使用されています。

ペクチンが水に溶けてゲル状になる

ペクチンが水に溶けることでゲル状になり、粘度を高めたり食材同士をまとめたりする増粘剤、安定剤、ゲル化剤としての働きを持ちます。

ジャムやゼリー、ヨーグルト、ドレッシングなどの加工食品に広く使用されています。ペットフード業界でもその特性を活かし、ウェットフードの形状維持や食感の向上、製品の均質化に役立てられています。

ペクチンの製造方法

  1. リンゴの搾りかすや柑橘類の果皮を乾燥・粉砕
  2. クエン酸や硫酸などの酸性水で抽出
  3. 濃縮・精製
  4. 粉末状に加工

精製時には、不要な色素や苦味成分も取り除かれるため、無味・無臭に近いペクチンになります。

搾りかすや果皮などの副産物は果汁やジュースの製造過程で大量に発生するため、再利用が可能な経済的資源でもあります。

酸性水の使用に対する不安について

酸は、「ペクチンを果物の細胞壁から溶出させるための媒介」として使用されるのみに限ります。

抽出後の工程で酸性水は濾過され、さらにアルコール沈殿によってペクチンだけを分離・回収します。その後、洗浄工程を経て乾燥・精製されるため、最終製品であるペクチン粉末には、酸の残留は極めて微量、あるいは実質的にゼロに近いとされています。

日本を含む世界の食品安全基準(FAO/WHO合同食品規格委員会=コーデックス、米国FDA、EU EFSAなど)でも食品添加物として使用可能と判断され、安全性が確認されています。

ただナチュラル志向を優先した場合、酸を使ったということだけで懸念を持たれる場合があります。これに対し、酵素処理や超臨界抽出など他の方法も研究、実用化されつつあるそうで、今後も技術もより向上していくのではないかと思います。

ペクチンの機能面でのメリット

ペクチンは水溶性食物繊維に分類される代表的な成分であり、増粘剤としての利用の他、腸内の善玉菌を増やし腸内フローラを改善する可能性や、血糖値の急激な上昇を抑える効果、脂質代謝を改善する働きといった機能面でのメリットが報告されています。

これらは主に人間における研究によるものですが、犬や猫でも一定の健康的な効果は期待できます。

  • 腸内環境の改善:善玉菌のエサ(プレバイオティクス)として機能し、腸内フローラを整える
  • 血糖値の急上昇を抑制:糖の吸収速度をゆるやかにする
  • コレステロールの吸収抑制:胆汁酸を吸着して排出を促す作用により、血中コレステロールを下げる可能性
  • 便通の改善:水分保持によって便を柔らかくし、排便をスムーズにする

こうした効果から、シニア用、消化器サポート用、体重管理用などのフードでペクチンが使われていることがあります。

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