ペット防災とは
大きな災害が起こった時、どうしても人間が優先となった結果、ペットや家畜が置き去りにされて餓死したり逃げ出して野生化するニュースが流れていました。災害でもペットを守る方法は考えられていないんですか?
「ペット防災」に関してですね。日本ではペットや家畜は物として扱われるため、例えば他人のペットを殺してしまっても器物破損という扱いになります。
現在はペットは家族だという考え方が浸透していて、物であると考える人の方が圧倒的に少ないにも関わらず、この点に関しては改善されていかない現実がありますね。
これだけペットが一般的になっているにも関わらず、なぜ改善されていかないんですか?
ペット防災が改善されない理由
色々な理由があるとされていますが、その中の一例を紹介します。
まずはペットに人間と同じような権利を与えた場合。極端にいってペットを人間と同じ扱いにした場合、
- ペットショップは人身売買をしていることになるか
- 首輪をつけることは許されるか
- 犬猫を家から出さずにまるで監禁のように家の中だけで暮らすことは許されるか
- ペットが人間に殺されてしまった場合、人間は死刑や無期懲役になるか
少し考えてみるだけでも多くの問題が起こりそうなことが予想できます。これに付随した法律も作る必要もあるでしょう。
人々が「そこまでは求めていない」ということはわかっていても、ひとつ変えればいくつかの法律を作ったり変更する必要がでてくることも大きな障壁となっているようです。
するとペットの身は飼い主が守るしか方法はないんですね。
現状はそういうことになります。そこでペット防災という考え方を広め、実践し、少しずつ行政、国を動かして、ペットにも防災を取り入れていこうとする取り組みがペット防災です。
ペット防災とペットフードについて考える
具体的にペット防災とは何をすればいいんでしょうか?
住まいの防災や避難経路、同行避難などありますが、まず最も取り組みやすいことは備蓄だと思います。このサイトの趣旨であるペットフードの学校としては、注目すべき点はキャットフード・ドッグフードの備蓄になりますね。
いざという時はなんでもあげればいいと思っていたので、備蓄に関しては余り考えたことはありませんでした。何日分必要ですか?
フードと水で最低5日分、できれば一週間以上と考えられています。これには東日本大震災の時に、震災初期にはペット用救援物資を運ぶ車両は緊急車両として認められず、すぐには届かなかったということから眺めの備蓄が必要と考えられています。
人間の食べ物をあげてはだめですか?私は我慢するので、愛猫、愛犬にだけにはあげたいです。
信じられないかもしれませんが、自分に支給された緊急用物資を愛犬にあげていたところ、「人間の食べ物もまともにない時に犬なんかにあげるな」という声が出た例があります。
このように必ずしもペットが避難すること、ペットを守ることに対して好意的な人ばかりではないということを頭に入れておかなくてはいけません。
本当に信じられないですね!でもそれが現実なんですよね…精神的な余裕もない時であれば尚更ですよね。
そうです。例えば500人しか入らない体育館に3,000人が避難しているような環境です。余裕がなかったり、八つ当たりしたくなる人がいることも理解できます。
このようにペットと避難するということは、ペットを飼っていない人の気持ちを優先していかなくては成り立ちません。日本ではあくまで人間の次であり、その人間がまともに避難できる環境があるかもわからないのが災害です。
このような理由から、ペットフードや水は7日分を備蓄しておく必要があります。量は例えばドライフード2kgの袋で1ヶ月持つ猫であれば500g程度といったところですね。
ドライフードがいいですか?ウェットフードはどうですか?
ウェットフードは実はほとんどが水分になっています。このため、災害時にいつもと違う環境になったことで水を飲まない場合にも非常に効果的です。
缶詰やレトルトパウチは長期保存がきくので、ドライフード以外の選択肢として備蓄しておくといいでしょう。いつもある程度用意しておいて、古いものから使い、使っては補充する癖をつけておけば、備蓄にもなりますね。
一番大切なのは「しつけ」
フードと水は7日分と。他に準備しておくものはありますか?
それではここで備蓄品リストを紹介しましょう。まずは最優先のものを紹介します。
- 療法食・薬
- 首輪・リード(伸びないもの)
- 食器
- ガムテープ(多用途に使用できます)
- 飼い主、飼い主以外の連絡先
- ペットの写真
- ワクチンなど健康状態の情報とかかりつけの病院の情報
次に優先すべきものです。
- ペットシーツ
- トイレ用品
- タオル、ブラシ
- おもちゃ
- 洗濯ネット(猫の場合)
上記のような持ち物はありますが、ここにはないもので実は最も大切なのは「しつけ」です。
避難先で鳴いてしまったり、噛んでしまってはとてもじゃありませんが、避難所に一緒に避難することは不可能です。しつけができていなければ、避難所への避難は諦めるほかありません。特に犬の場合は普段からクレートトレーニングや待て、伏せ、無駄吠えなどを練習しておく必要があります。
まとめ
ここで勉強したペットフードの備蓄量や適したフードをしっかりと準備しておきながら、他の防災事項についてもまた勉強していこうと思います!
そうですね。ペット防災は話せばまだまだ多くのことがあります。
- 住まいの防災対策
- しつけ
- 健康管理
- 迷子対策
- 備蓄品
- 避難経路
- 安全確保
- 同行避難方法
- 仮設住宅でのペットマナー
知られていないことも多く、私もまだまだ勉強不足ですが、少しずつペットフードの学校で一緒に勉強していきましょう。