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熱に強いポリフェノール
ポリフェノール(英名:polyphenol)とはカテキンやフラボノイド、イソフラボンなど主に植物が光合成を行う時に生成される物質です。5000種類以上あると言われています。
強い抗酸化作用があり、活性酸素などの有害物質を無害に変えるため、動脈硬化などの予防にも役立ちます。
フードの観点からは植物色素、アクや渋み、苦味の成分になります。またポリフェノールは熱に強いのでドライフードにも配合しやすいメリットがあります。
ポリフェノールといえば赤ワインやぶどうですね!
赤ワインの他にもコーヒー、緑茶、チョコレート、豆類、ターメリックなどにも含まれています。
ポリフェノールは光合成を行う時に生成される物質なのでほとんどの植物に含まれていますが、それぞれに含まれている成分が違います。
アントシアニン | ブルーベリー、カシス、ブドウ、イチゴ、ナス、赤タマネギ、紫キャベツ、赤シソ、黒豆、黒ゴマ |
カテキン | 緑茶、紅茶 |
カカオポリフェノール | ココア、チョコレート |
ルチン | そば、アスパラガス、ケール、ほうれん草、パプリカ、柑橘類、トマト |
フェルラ酸 | 玄米、小麦ふすま、トウモロコシ、セロリ、ニンジン、さつまいも |
コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸) | コーヒー |
クルクミン | ターメリック |
ショウガオール | 生姜 |
イソフラボン | 大豆、豆腐、豆乳、おから、きな粉、味噌 |
因みにブドウは中毒を引き起こす可能性がありますので、ポリフェノールが含まれていれば何でもよいというわけではありませんので注意してください。ただし、なぜブドウがだめなのか原因がわかっていません。
ポリフェノールの抗酸化作用
活性酸素は老化や生活習慣病の原因に
過剰に発生した活性酸素は細胞を傷つけ、シワやしみなどの老化、癌、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病の原因にもなります。
ポリフェノールこの活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持っています。
摂取してから効果が短いポリフェノール
ポリフェノールは摂取してから3~4時間しか効果が持たないと言われています。このため毎日微量でも摂取することで継続した効果が期待できます。
ペットフードでのポリフェノール配合方法
ブルーベリー、マルベリー、クランベリーなどポリフェノールが豊富なベリー類
ブルーベリーなどはキャットフード、ドッグフードにもよく使われる貴重な抗酸化物質を含む食材です。ベリー類には多数の種類があり、それぞれに風味や味が違います。
食材としても安定して手に入りやすいため、ドライフードの原材料としても使いやすい食材です。
- ブルーベリー
- カウベリー
- クランベリー
- ビルベリー
- マルベリーなど
飼育環境下にある犬猫動物はだいたい毎日同じものを食べますし、ポリフェノールは摂取してから3~4時間しか効果が持続しないため、キャットフード、ドッグフードから摂取できるように配慮された製品がおすすめです。
原材料で判断するのであれば果物が豊富なドライフードはポリフェノールが多い傾向にあるかもしれません。
玄米、小麦、大麦のフェルラ酸
玄米や小麦に含まれているフェルラ酸は抗酸化作用、抗菌作用、抗ガン作用の他に認知症に効果があると期待され、犬猫用の認知症予防のサプリが販売されています。
ペットフードや獣医療の発達発展により、犬猫が長生きするようになったことで認知症という問題も増えてきました。
特に中、大型犬の認知症の症状は体が大きいこともあり、ご家族様も大変なお世話が必要となってきます。こうした症状に対してフェルラ酸は期待されています。
果物にも含まれるカテキン
カテキンといえば緑茶ですが、リンゴや梨にも含まれています。
カテキンは消臭効果や歯周病原性細菌の減少などが期待され、歯磨きや猫砂に配合されていたりします。
イソフラボンと猫
犬猫はイソフラボンを適量摂取することで体内の活性酸素を除去する働きが期待できます。
ただ猫はイソフラボン代謝可能量に制限があるため、イソフラボン摂取量が多いと代謝が追いつかず、甲状腺ホルモンの一種であるサイロキシン濃度が上昇する可能性があります。
特に大豆はイソフラボン含有量が高いため、原材料としては避けているメーカーもあるようです。
例えば枝豆のイソフラボン含有量は大豆の1/10ほどであり、豆科の食材がダメということではありませんので、豆類を使用する場合は各メーカーそれぞれが品種や配合量の選択を行っています。
ポリフェノールを含んだ食材はペットフードに配合しやすい
このようにポリフェノールを含んだ食材はペットフードに配合しやすい食材が多く、多くのドライフードに含まれていると思います。
シンプルな食材構成のキャットフード、ドッグフードより、豊富な食材を含んでいるほうが、様々なポリフェノールを摂取できるかもしれません。