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塩化ナトリウムとは
塩化ナトリウムとは化学式NaClであらわされるナトリウム(Na)と塩素(Cl)の化合物でいわゆる食塩です。
ナトリウムだけでは食塩ではなく、塩素と結合して塩化ナトリウム(食塩)になります。
塩化ナトリウムは何を添加するために使う?
塩化ナトリウムはナトリウムと塩素を添加するために使います。
塩素は栄養成分表に記載がないため、ペットフードのレシピ開発においては計算しにくい成分ですが、AAFCOの基準では塩化物が存在しますので、ナトリウム量から計算するのが主流となっています。
ペットフードを作る場合は、醤油や塩で人と同じような味付けは行わないので、塩化物やナトリウムが足りないことは珍しくありません。
このため塩化物とナトリウムを添加するために塩化ナトリウム(食塩)を使用することは珍しいことではありません。
栄養として必要だから添加するので心配する必要はない
日本ではペットフードの原材料に食塩の文字が記載されていると敬遠する方がいますが、製造メーカーも必要なければ使用しませんのでそこで敬遠する必要はないかと思います。
塩化ナトリウム(食塩)を使用していてもそれは必要だからなんですね。
むしろ塩化物、ナトリウムが少ないレシピであるということも言えるかと思います。
「それなら食材から塩分を取り入れればいいじゃないか」という意見もありますし、そうしたレシピを作ることも可能です。
ただそうなると使える食材が限られてしまいます。必ず魚などを使わないと塩化物やナトリウムが足りないということになりがちで、レシピに制限が出来てしまうというデメリットがあります。
どの位添加するの?
塩化ナトリウムのナトリウムと塩素の重量比はNa:Cl=23:35.5となりますので、塩化ナトリウム58.5g中ナトリウムは23g、塩素は35.5g含まれていると考えることができます。
食塩1g添加するとナトリウムを約0.4g、塩素を約0.6g添加することができます。
添加量はレシピに左右されますので一概にこの位ということはできませんのであくまで参考ですが、例えば魚を使用しない100g程度のフレッシュフードに塩化ナトリウムを0.1g位添加をするケースはあるかなと思います。ひとつまみ0.5gから1g程度なので本当に微々たる量ですね。
水分摂取を促す役目もある
塩分があることで水分摂取を促す役目もあります。さすがに「水が飲みたい!」というほどの塩分を添加しているという意味ではありません。
人も食塩、しょっぱいものを食べた後は血液中のナトリウム濃度があがります。すると体は血液中のナトリウム濃度を一定に保とうとして水分を引き寄せて薄めようとします。これによって水分を摂取したくなって水を飲むという仕組みになっています。
とはいえ過剰に塩分を摂取すれば、その分水分を摂取することになり、血液中のナトリウム量を下げようと水を引き寄せて血液量が増加します。血管に圧力がかかるため、これを繰り返すといわゆる高血圧となり、他の問題が起こることになります。
手作り食で誤った量を添加しないように、自分で食塩を使用することは避けた方がいいかもしれません。
犬と猫の違い
犬と猫のナトリウム、塩化物の最低基準
ナトリウム | 塩化物 | |
---|---|---|
幼犬 | 0.3 | 0.45 |
成犬 | 0.08 | 0.12 |
幼猫 | 0.2 | 0.3 |
成猫 | 0.2 | 0.3 |
生まれた時から成犬まで体が大きくなる犬の幼犬の時が最もナトリウムも塩化物も必要としますが、成犬になるとどちらも必要量に減少が見られます。
猫は幼猫成猫関わらず、一定量を必要としていることがわかります。
上記の基準に合うよう塩化ナトリウムを添加していきます。もちろん塩化物だけが足りなければ塩化カリウムなど他の添加物を添加する場合もあり、塩化物やナトリウムを足したい時に必ずしも塩化ナトリウムを添加するわけではないということを覚えておきましょう。