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タウリンについて
タウリンとはアミノ酸の一種です。このタウリンを添加するという点から考えた場合、「化学合成の医薬品」と「天然抽出による食品添加物」に分けられます。
化学合成のタウリン
化学合成のタウリンは医薬品にしか使うことができません。
医薬品や医薬部外品に指定された栄養ドリンクなどに配合されます。健康食品のようなサプリメントなどには配合することができません。
天然抽出によるタウリン(抽出物)
天然抽出によるタウリンは「タウリン抽出物」と言われ、合成タウリンとは別物として扱われ、厚生労働省が定める既存添加物名簿にも収載されている食品添加物になります。
赤ちゃんのミルクやサプリメントなどにも配合ができます。
しかしこのタウリン抽出物は大変に高価です。1kg3万円程度から8万円以上なんていうものもあり、価格を抑えるために低含有品も存在しています。
哺乳類は生合成能が低いため食事から摂取する
人も含めて哺乳類はタウリンの生合成能が低く、多く含まれているイカやタコ、魚のような魚介類などから摂取しています。
特に猫は体内で合成することができないため、タウリンの摂取は必須となっています。
しかしドライペットフードやウェットから十分なタウリンを摂取することは簡単ではないため、天然抽出によるタウリン抽出物を添加物として使用します。
タウリン抽出物は何から抽出するの?
ペットフードの添加物として使われるタウリン抽出物ですが、牡蠣などの魚介類のエキスや牛の胆汁、山羊の胆汁などから抽出されます。
もともとはドイツの科学者が牛の胆汁からタウリンを抽出できたことがタウリン発見の始まりで1827年とされています。しかし分離抽出できただけで、この時点では効果効能についてはほとんどわからないものでした。
参考:リポビタンD 大正製薬
ペットフードのタウリン抽出物の添加量は?
タウリン抽出物がどれだけペットフードに添加されるかですが、タウリンは食品成分表にも記載がありません。タウリン含有量の記載がある資料も限られているので計算することが難しい栄養素のひとつです。
しかしタウリンは欠乏症はありますが、過剰症はありませんので余裕を持って添加しておくことが進められるかと思います。また水溶性であり、過剰なタウリンは尿中へ排出されますので蓄積することもありません。
AAFCOの基準から参考値を計算
AAFCOの基準から考えると、タウリン必須の猫の場合で1000kcal中ウェットフードで0.5g(ドライフードで0.25g)が最少量とされています。
100gで160kcalのウェットフードの場合
3kgの猫のPER(安静時エネルギー要求量)が160kcalとして、最低限それを満たすものを作る場合、160kcalのウェットフード1食に最低でも0.08gのタウリンが必要です。
乾物計算では0.2%を最低必要量としています。総重量100gのウェットフードで、乾物重量が3割の33g位だったとすると、0.2%が0.066gになりますので0.066gの添加が必要です。
このため例えば100gで160kcalのウェットフードなら、原材料中のタウリンがゼロとして考えた場合はタウリン抽出物(100%タウリン)を0.08g以上添加してみるというのがひとつの選択肢になるかと思います。
状況がかなり限定された話になりますのであまり参考にならないかもしれませんが、イメージ程度に参考にしてみてください。
犬、猫それぞれのタウリンの作用などについて
タウリンは猫にとっては必須アミノ酸に指定されています。犬も一部の犬種についてタウリン欠乏症と拡張型心筋症の関係がいわれています。
タウリンの作用などについては以下の記事も一緒にご覧ください。