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アメリカミズアブのフードが犬の口臭を減らす
昨年の日本で、アメリカミズアブ幼虫の腸内細菌叢を含んだ飼育残渣を食品廃棄物に加えることで、食品廃棄物が発生する臭気を抑える技術を開発したという研究がありました。ミズアブの飼育残渣をエサとする食品廃棄物にあらかじめ加えることで、食品廃棄物が腐敗する際に発生する臭気を大きく抑制できることを明らかにした研究です。
参考:(研究成果) 昆虫の力を借りて食品廃棄物の臭気を抑える技術を開発
犬猫にとって口臭は永遠のテーマとも言えます。小さいころから歯磨きに慣れていればよいのですが、そうでないと口腔内の健康状態は日に日に気になってきます。
そんなところ、アメリカミズアブを使用したフードが口臭を減らすという研究結果が出てきました。
現在なかなか賛同を得られていない虫を原料としたペットフードですが、こうした側面から販売が活性化されるかもしれませんね。
歯周病は犬にとっては一般的な病気のひとつ
犬にとっては歯周病が一般的な病気のひとつになっており、3歳以上の80%が少なからず患っていると考えられています。
口臭はたんぱく質の分解活動で起こります。タンパク質、アミノ酸などを最近が分解することで揮発性硫黄化物を生成して、それが悪臭、口臭に繋がります。
試験ではアメリカミズアブのタンパク質食では口臭の原因となる細菌が減少
研究では8頭のメスビーグルを、家禽副産物ミールを含むドライフードと、アメリカミズアブの幼虫から生成されるタンパク質を含むドライフードを与えるグループに分け、それぞれ50日間給餌した結果、アミリカミズアブの方を食べていた犬は口臭の原因となる細菌が7%減少していたことがわかりました。唾液中の最近を変化させ、モラクセラ菌の量が増加していました。モラクセラ菌群は口腔の健康のマーカーと考えられており、実際に口臭もほとんど目立たない臭気であったという評価になりました。家禽副産物ミールの食事を与えられた犬ではわずかではあるが顕著な臭気のスコアが少し高くなっていました。
日本ではまだ受け入れられていない昆虫フード
ヨーロッパでは、私の知っている工場でも既に昆虫フードの製造が始まり、新しい市場を作り始めています。
しかし実感としては日本ではまだ受け入れられないであろうと考えています。というのも、昆虫食は「普段食べる食事自体が虫である」ということは、「犬猫動物は人と同じである」という考えが強くなるほど受け入れにくいものです。
虫を使用したおやつや療法食、サプリなら需要が見込める
しかし昆虫を粉末にしたおやつやサプリなら需要があるのではないでしょうか。
昆虫を原料とした食品が口臭や口内環境の健康に寄与する自然的な薬であると認識できれば、日本でも一定の賛成が得られるものと思います。
薬と比較して、虫サプリなどの方が良いと考える人は多いと思いますのでチャンスがあるように思います。
これから育つ虫市場に、日本人がどれほど適用できるかがキモ
正直なところ、犬や猫は虫も食べますので、衛生面さえ守られているのなら、虫食が体に悪いということはないように思います。
しかし私も虫の飼育現場などを確認していませんので、まだ未知な領域であると感じています。マウスの培養肉フードなども同様です。
コロナ禍以降海外研修をあまり行っていませんでしたが、日本だとまだ触れることがない産業ですので、また世界の状況のレポートも行っていきたいと思います。
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