目次
なた豆とは
なた豆(英名:Canavalia gladiata)とは刀豆と書き、まさに刀のような大きさを持つ大きなつる性のマメ亜科の植物です。マメ科としては最大級の植物でサヤが4~60cmほどになります。正に中国の青竜刀のような形をしているため名付けられました。
英名の「カナバリア」から想像できますが、なた豆だけに含まれている成分の「カナバニン」やコンカナバリンAが膿を取るといった効能があり、漢方として活用されてきました。
なた豆の効能
なた豆は膿とりとして主に認識されて生薬として活用されてきました。
これはカナバニンに排嚢作用、抗炎症作用などがあると考えられているためです。コンカナバリンAはレクチンといわれるタンパク質でなた豆だけに含まれています。これはT細胞、マクロファージ、NK細胞の活性化をすることで免疫力を高めると考えられています。
カナバニン
- 抗菌・抗ウイルス作用(細菌・ウイルスの増殖抑制)
- 腫瘍細胞の増殖抑制(アミノ酸代謝の阻害)
- 抗炎症作用(リウマチや炎症疾患の緩和)
コンカナバリンA
- 免疫活性化作用(T細胞・マクロファージの活性化)
- 抗炎症作用(サイトカイン産生促進)
- がん細胞の増殖抑制作用(アポトーシス誘導)
- 免疫記憶の強化(長期的な免疫力向上)
歯槽骨吸収を抑制したという結果(デンタルケア)
口臭を防ぎ、口内をスッキリ爽快に保つといわれているなた豆は、ナタマメ抽出溶液が歯周炎誘発ラットのP. gに抑制的に作用して歯槽骨吸収を抑制したという結果もあり、口腔内ケア、デンタルケアに効果があると確認されています。
- 抗菌・抗炎症作用
- 排嚢作用
- 口臭予防
- 歯茎の健康維持
上記の効果を期待して歯磨き粉やマウスウォッシュなどにも使われており、犬猫用のデンタルケア製品にも使用されています。
なた豆はカナバニンに懸念
アルギニンと構造が似ているカナバニンに懸念
そんな排膿作用、抗炎症作用、血液や体液の浄化作用、血行促進作用などをもつカナバニンですが、アルギニンと構造が似ているため、摂取した動物がアルギニンと間違えてカナバニンをタンパク質に取り込み、適切な機能を持たない構造的に異常なタンパク質が作られることによって毒性が生じるという懸念があります。
またアルギニンは必須アミノ酸でアンモニアを解毒するのにも使われます。カナバニンがアルギニンと混同され、カナバニンを取り込むことで、アルギニンの働きが阻害されてしまい、アンモニアの解毒が上手くいかなくなる可能性があります。特に猫はアルギニン欠乏に敏感なため、高アンモニア症を起こしてしまう可能性があります。
ただし毒性に対して判断する場合は摂取量が重要ですので、配合量、摂取量に寄っては悪いとは言い切れないことに注意してください。
人用では昔からまめ茶でうがいがよい
人用では昔からなた豆茶によるうがいが良いとされています。上記を考慮すると特に理にかなっていると考えられますね。
昔の人がどのようにしてこれらに気付いたのかわかりませんが、素晴らしい知恵だと思います。