目次
犬のダイエットはなぜ必要?
犬の肥満は珍しくありません
愛犬へごほうびやしつけ、コミュニケーションのためにおやつを与える機会は多く、習慣的に与えることで摂取カロリーが増えてしまうことがあります。
また、室内で過ごす時間の増加や運動不足、避妊・去勢後の代謝の変化なども、体重増加に関係する要因として知られています。
これらの要因から、犬の肥満は決して珍しいものではなく、多くの飼い主が体重管理に悩まれています。

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肥満が健康に与える影響
肥満になると、体重の増加によって関節への負担が大きくなります。
また、体脂肪の増加によって呼吸がしづらくなったり、運動を嫌がったりすることもあります。
さらに、活動量の低下によって筋肉量が減少しやすくなり、運動不足が進むことで体重管理がさらに難しくなる場合もあります。
このような変化は、散歩や遊びなどの日常生活にも影響し、生活の質(QOL)の低下につながります。
そもそも愛犬は「本当に太っている?」
体重だけでは判断できない
犬の肥満は体重の数字だけでは判断できません。同じ体重でも犬種や骨格によって適正な体型は異なります。
また、同じ犬種でも骨格の大きさや筋肉量には個体差があります。そのため、「〇kgだから太っている」「標準体重を超えたから肥満」と単純に判断することはできません。
BCS(ボディコンディションスコア)で確認する
体型を評価する際は、体重だけでなく、体脂肪の付き方や体のラインもあわせて確認する、BCS(ボディコンディションスコア)が広く利用されています。
確認するポイントとしては、
- 肋骨が軽く触れるか
- 上から見たときに腰のくびれがあるか
- 横から見たときにお腹が適度に引き締まっているか
などがあります。
愛犬の体型を正確に評価するには動物病院での確認が参考になりますが、日頃から家庭で体型をチェックする習慣をつけることも大切です。
犬のダイエットで最初に見直したいこと
フード量が適正か確認する
愛犬の体重が増えてきた場合、まず見直したいのが毎日のフード量です。
「いつも同じくらい入れているつもり」でも、目分量や製品に合わない計量カップの使用によっては気づかないうちに給与量が増えてしまっていることがあります。
ドッグフードは製品ごとにカロリーや密度が異なるため、パッケージに記載された給与量を目安に、できるだけグラム単位で管理することが大切です。
ダイエット用ドッグフードへ切り替える前に、現在の給与量を見直すだけで体重管理につながることもあります。
給与量はあくまで目安
パッケージに記載されている給与量は、あくまで目安です。
犬によって必要なエネルギー量は、年齢や体格、活動量、避妊・去勢の有無などによって異なります。そのため、記載どおりに与えていても体重が増えることがあります。
まずは給与量を目安どおりに管理したうえで、体重が増え続けるようであれば、給与量を少しずつ見直しながら、その犬にとって適切な給与量を探していくことが大切です。
おやつの量を把握する
おやつは1回あたりの量が少ないため、「これくらいなら大丈夫」と考えがちですが、毎日の積み重ねで体重増加につながることがあります。
特に注意したいのが、家族それぞれがおやつを与えているケースです。本人は「少しだけ」のつもりでも、複数人が与えることで想定以上の量になってしまうことがあります。
ダイエット中におやつを完全にやめる必要はありませんが、1日に与える量を決めて家族全員で共有し、誰がどれだけ与えたかを把握することが大切です。
人の食べ物を与えていないか確認する
愛犬が食事中に欲しそうな様子を見せると、つい人の食べ物を与えたくなることがあります。
しかし、食卓から与える習慣は摂取カロリーの増加につながるだけでなく、脂質や塩分の多い食品や、犬に与えてはいけない食材を口にする原因にもなります。
ダイエット中は、家族全員で「食卓からは与えない」というルールを決めることが大切です。愛犬が欲しがっても一貫した対応を続けることで、食卓で食べ物を期待する行動の予防にもつながります。
運動量とのバランスを見る
どれだけダイエット用ドッグフードを選んでも、摂取するエネルギーが消費するエネルギーを上回れば、体重は増えやすくなります。
運動=散歩のイメージがありますが、室内でのおもちゃ遊びやノーズワーク、庭で走る時間など、日常の活動量もエネルギー消費に関わります。
急に運動量を増やすと関節や心臓に負担がかかる場合があります。特に肥満の犬や高齢犬では、愛犬の体調に合わせて少しずつ運動量を増やすことが大切です。
ダイエット用ドッグフードとは?
ダイエットフードに明確な公的定義はない
日本のペットフード表示制度では、「ダイエット用」や「体重管理用」という名称自体に公的な定義はありません。これらの表現は、メーカーごとの商品設計や販売上の表示として用いられています。
そのため、同じ「ダイエット用」と表示されていても、メーカーや製品ごとに重視しているポイントは異なります。
例えば、カロリーを抑えることを重視した製品もあれば、脂肪燃焼を助ける成分を配合しているもの、食物繊維を配合して満腹感に配慮したものなど、特徴はさまざまです。
ダイエット用フードを選ぶ際には、表示されている「ダイエット用」や「体重管理用」の文字だけで判断せず、その製品の特長や栄養成分、カロリー、給与量などもあわせて比較することが大切です。
一般的なダイエット用フードの特徴
ダイエット用ドッグフードと呼ばれる製品にはさまざまな種類がありますが、多くの製品では、摂取カロリーを抑えながら必要な栄養素を摂取できるよう工夫されています。
代表的な特徴として、次のような設計が採用されることがあります。
カロリーを抑えている
ダイエット用ドッグフードでは、脂質量を調整するなどして一般的なフードよりもカロリーが低めに設計されている製品があります。同じ重量を食べても摂取カロリーを抑えやすいため、体重管理をサポートしやすくなります。
食物繊維を配合している
食物繊維は消化吸収されにくい成分で、フードのかさを増やしながらカロリーを抑え、食後の満足感に配慮した設計を採用している製品もあります。
筋肉の維持に配慮している
ダイエット中も筋肉量を維持できるよう、たんぱく質量とのバランスに配慮した設計の製品もあります。
ダイエットフードだけで痩せるわけではない
ダイエット用ドッグフードは、体重管理をサポートするために設計されたフードですが、フードを切り替えただけで体重が減るわけではありません。
犬のダイエットで重要なのは、摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスです。ダイエット用ドッグフードに切り替えても、給与量が多すぎたり、おやつや人の食べ物を与えすぎたりすると、摂取カロリーが増えて体重は減りにくくなります。
また、運動量が少ないままでは、十分なエネルギーを消費できないこともあります。
ダイエット用ドッグフードは、適切な給与量の管理や運動と組み合わせることで、体重管理に役立つ選択肢の一つです。
ダイエット用ドッグフードの選び方
代謝エネルギー(カロリー)を比較する
同じ重量のフードでも、製品によってカロリーは異なります。「ダイエット用」と表示されていても、一般的なドッグフードと大きな差がない製品もあれば、より低カロリーに設計されている製品もあります。
カロリーは、犬が実際に利用できるエネルギー量を示すもので、多くの製品では「○○kcal/100g」や「○○kcal/1カップ」のように表示されています。
100gあたりのカロリー量で比較しないで
ただし、100gあたりのカロリー量で比較しないでください。100gあたりのカロリー量が低くても、その分給与量が多く、結果的に高カロリーだったということが少なくありません。
総合栄養食は給与カロリーも計算されていますので、実は大きくは変わりがありません。このため、100gのカロリー量だけで判断してしまうことは失敗の原因になりがちです。
必ず給与量と合わせて実際に与えるカロリー量から比較してください。

こことても大切です。
脂質量に対する考え方
脂質はたんぱく質や炭水化物よりも多くのエネルギーを持つため、脂質量が高いフードはカロリーも高くなる傾向があります。
しかし、脂質は犬にとって重要なエネルギー源であり、皮膚や被毛の健康維持、脂溶性ビタミンの吸収などにも欠かせない栄養素です。そのため、脂質を極端に制限すると、健康維持に必要なエネルギーや必須脂肪酸の摂取が不足する可能性もあります。
同じ脂質量でも、製品全体の栄養設計によって、実際に摂取するカロリーは異なります。また、低脂質のフードを選ぶ場合でも、「総合栄養食」の表示がある製品であれば、健康な犬に必要な栄養バランスに配慮して設計されています。
ダイエットでは脂質を必要以上に避けるのではなく、総合栄養食として必要な脂質が確保されているフードを選ぶことも大切です。
たんぱく質も大切
筋肉は体を支えたり、運動したりするために欠かせない組織です。特に高齢犬では、加齢によって筋肉量が減少しやすいため、体重だけを減らそうとすると筋肉まで失ってしまう可能性があります。
一方で、たんぱく質が多ければ多いほどダイエットに効果的というわけではありません。一般的に、高たんぱくなフードは脂質も高めに設計されている製品が多く、カロリーも高くなる傾向があります。
そのため、高たんぱくという点だけに注目しても、低脂質という点だけに注目しても、愛犬に合ったダイエット用ドッグフードを選ぶことはできません。
ダイエット用ドッグフードでは、体重管理をしながら筋肉量の維持に配慮した栄養設計が採用されている製品もあります。ダイエットの目標は、体重という数字を減らすことではなく、筋肉を維持しながら余分な体脂肪を減らすことです。
愛犬に合った食物繊維の量を知る
食物繊維は消化吸収されにくい成分で、ダイエット用ドッグフードでは、フードのかさを増やしながら摂取カロリーを抑えやすくする目的で利用されている製品が多く見られます。
一方で、食物繊維が多いフードへ切り替えると、便の量が増えることや軟便や下痢、お腹の張りがみられることもあります。
食物繊維は便のかさを増やすので、便量が増えることが必ずしも消化が悪くなったことを意味するわけではありませんが、軟便や下痢が続く場合は、その犬の消化に合っていない可能性があります。
食物繊維量の多いダイエット用フードに切り替えた後は、便の状態や排便回数も確認しながら、愛犬に合っているかを判断することが大切です。
ダイエット中の注意点
ダイエットは、食事量を減らせばよいというものではありません。急激な減量や間違った管理は、健康を損なう原因になることもあります。
早く痩せさせようと急激に食事量を減らすと、必要な栄養まで不足する可能性があります。また、フードの量だけを減らし、おやつの量を変えていないケースも少なくありません。ダイエット中は、おやつを含めた1日の総摂取カロリーを意識することが大切です。
さらに、体重だけを見てダイエットの成果を判断するのも避けたいポイントです。筋肉が維持できているかは体重だけでは分からないため、まずは獣医師に相談し、理想的な体重やボディコンディションスコア(BCS)を確認することがおすすめです。
ダイエットは継続が重要です。環境省の飼い主向けガイドラインでも、急激な減量ではなく、徐々に体重を減らしていくことが推奨されています。
こんな場合は動物病院に相談を
ダイエットは家庭でも取り組めますが、自己判断だけでは対応が難しい場合もあります。次のようなケースでは、一度動物病院へ相談しましょう。
- 急に太った
- ダイエットしても痩せない
- 高齢犬の減量
- 持病がある
食事量が変わっていないのに急激に体重が増えたり、給与量やおやつを見直しても体重が減らない場合は、食事内容だけでなく、病気や運動量など別の要因が関係していることがあります。
また、高齢犬では筋肉量が減少しやすいため、ダイエットによって筋肉まで失わないように、減量を始める前に獣医師へ相談すると安心です。
糖尿病や関節疾患、心疾患、内分泌疾患などの持病がある犬では、病気に合わせた栄養管理が必要になることがあります。自己判断で食事内容を変更せず、獣医師の指導を受けながら進めましょう。
まとめ
愛犬が太ってきたと感じたら、まずはボディコンディションスコア(BCS)で体型を確認し、現在のフード量やおやつ、運動量を見直すことが大切です。
ダイエット用ドッグフードは、そうした体重管理をサポートするための選択肢のひとつです。
短期間での急激な減量は健康を損なう可能性があります。食事を見直しても痩せない場合や急に体重が増えた場合、持病や高齢などが関係する場合は、自己判断せず動物病院へ相談しましょう。





