犬や猫の外耳炎は食物アレルギーと関係する?耳の炎症と食事の関連を正しく理解する

外耳炎が実は食物アレルギーが原因だったということが少なくありません。ここでは食事と外耳炎について学んでみたいと思います。

外耳炎とは

外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」に炎症が起こる状態です。犬猫は次のような素振りを見せます。

  • 耳をかく、気にする
  • 頭を振る
  • 耳が赤い
  • においが強い
  • 黒い耳垢が増える
  • 耳を触られるのを嫌がる

外耳炎になる原因

外耳炎は単独要因より、複数の要因が重なって発症することが多いとされ、大きく3つに分かれます。

原発要因

原発要因とは炎症のきっかけになるものです。代表的な原発要因には次の通りです。

  • アレルギー性疾患
  • 寄生虫
  • 異物
  • 角化異常

例えばアレルギーによって耳に炎症が起こり、そこに湿気や耳ダニ、細菌、マラセチア、ポリープなどが加わることで症状が悪化し、外耳炎が慢性化していくケースもあります。そのため、耳垢が多いからといって単純な「汚れ」の問題とは限りません。実際には、背景にアレルギー性皮膚炎などの皮膚トラブルが隠れていることもあります。

増悪要因

憎悪要因とは症状を悪化させるものです。

耳のバリア機能が低下した状態で細菌やマラセチア(真菌)に二次感染して耳道内で過剰増殖することは悪化する最大の要因のひとつです。

持続要因

持続要因とは治りにくくしているものです。

例えば外耳炎を繰り返すことによって耳道壁が厚くなってしまい、耳の穴が狭まることで汚れが溜まったりしやすくなり、慢性的に外耳炎にかかりやすくなります。

アレルギーを起こしやすい食材

犬と猫で原因になりやすい代表的な食材(アレルゲン)は以下の通りです。

犬に多いアレルゲン:牛肉、乳製品、鶏肉、小麦、大豆、ラム肉など
猫に多いアレルゲン:牛肉、魚類、鶏肉、乳製品など

また、特定の食材だけでなく、体質的に脂質の高い食事が耳の皮脂分泌を促し、マラセチア菌を増やして外耳炎を悪化させるケースもあります。

「食物アレルギーかどうか」は見た目だけでは判断できない

犬や猫の外耳炎の症状は、「耳の見た目、耳垢(みみあか)、臭い」など、外見と匂いで気付くことができます。

食物アレルギーでも犬の多くが外耳炎を併発すると言われていて、耳のトラブルからアレルギーが発覚するケースは動物病院でも非常に多く見られます。

耳の入り口から鼓膜までの道(外耳道)は、皮膚の一部です。食べ物に対してアレルギー反応が起きると、全身の皮膚に炎症が起きたり、皮膚のバリア機能が低下したりします。すると、耳の中に普段から存在している常在菌(細菌やマラセチアなどの真菌)が異常繁殖しやすくなり、結果として二次的な外耳炎を発症してしまいます。

外耳炎の症状が先か、食物アレルギーの症状が先かといった面があり、見た目だけで食物アレルギーが原因とは判断ができません。

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食事が原因かを見極める・改善するためのアプローチ

動物病院では、外耳炎の局所的な治療(洗浄や点耳薬)と並行して、食物アレルギーを考慮して食事の改善(除去食試験)を行うことがあります。

食事管理(療法食への切り替え)

食物アレルギーが疑われる場合、獣医師の指導のもとで以下のようなフードに切り替え、最低でも6〜8週間はそのフードと水だけで過ごして様子を見ます。

加水分解タンパクフード

アレルゲンにならないよう、タンパク質を極限まで小さく分解した療法食。

単一新規タンパクフード

これまで食べたことがない珍しいタンパク源(例:カンガルー、シカ、ウマなど)を主原料にしたフード。

犬猫の食物アレルギーと除去食試験・食物負荷試験について。初発年齢は一歳未満が多い

オヤツの制限

メインのフードをアレルギー対応にしても、ジャーキーやクッキー、家族が与える人間の食べ物(パンや肉の一片など)を一口でも食べてしまうと、アレルギー反応が誘発されて耳の炎症がぶり返します。

検査・調整期間中はオヤツを完全にストップする必要があります。

必須脂肪酸の補給

皮膚のバリア機能を高めるために、EPA・DHA(オメガ3系脂肪酸)が豊富に含まれる食事やサプリメントを選ぶことも、耳の皮膚の健康維持(炎症の抑制)に役立ちます。

耳の皮脂分泌を抑えるために脂質の多い食事を控えることは矛盾しているように感じますが、具体的には、「皮脂の原料になりやすい飽和脂肪酸(ベタベタの元)」を減らして「炎症を抑えるEPA・DHA(サラサラの必須脂肪酸)」を補給するという差引きを行うということです。

「特定の食材が悪い」と決めつけないことが重要

近年では、「チキンが悪い」 「穀物が原因」「添加物で外耳炎になる」などの情報も広く見られます。しかし、「特定の原材料が一律に外耳炎を起こす」と断定できる根拠はありません

食物アレルギー反応は「個体ごとの免疫反応」の問題であり、原因食材は個体によって異なります。また、自己判断で極端な食事制限を続けると、栄養バランスが崩れる可能性もあります。

特に成長期や持病がある犬猫では注意が必要なので、外耳炎が疑われる場合は動物病院での診察をおすすめします。

まとめ

外耳炎は「耳だけの問題」と捉えがちですが、特に繰り返す慢性的な外耳炎は、体の内側(消化管と免疫システム)からのシグナルである可能性が高いです。

耳のケアをしても治らない場合は、一度動物病院で普段の食事内容(原材料)を相談してみることをおすすめします。

マッサン

ペットフード販売士マッサン

株式会社ヒューマル代表取締役。マッサンペットフーズを運営しています。まだインターネットにペットフードに関する情報がほとんどなかった時から、インターネットでペットフードに関する情報の発信を始め、読者の声を実現する形でロニーキャットフードを開発。その後、犬猫が人の腕や顔を舐めてしまうことに着目して、舐めても問題のない原材料を使用したペット飼育者向け化粧品というジャンルを作りだし、初めて販売したロニーボディクリームが大人気商品に。すべての犬猫が幸せになることを願って活動しています。

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スギさん

新婚さんで妊娠中。子どもができたことをきっかけに家族の健康について考え、10歳を超えた愛犬愛猫の健康も考えるようになった。現在犬猫の食事について勉強中!

エノおじさん

10匹以上の猫を飼っているお酒が好きな元気なおじさん。大量のキャットフードを購入することもあり、安価でありながら安全なキャットフードを探している。
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