犬や猫の筋肉はなぜ減る?加齢だけではない筋肉量低下の原因を解説

最近、「後ろ足が細くなった気がする」「以前より背骨が目立つようになった」と感じたことはありませんか。

犬や猫の筋肉量は年齢とともに少しずつ減少します。しかし、筋肉量が減る原因は加齢だけではありません。

筋肉量の低下を年齢のせいと決めつけてしまうと、治療や食事の見直しで改善できる変化を見逃してしまう可能性もあります。

この記事では、犬や猫の筋肉量が減る主な原因と、気を付けたいポイントについて解説します。

筋肉量はなぜ大切なの?

筋肉は体を動かすだけではない

筋肉には、歩く、走る、ジャンプするといった体を動かす働きだけでなく、姿勢を維持したり、関節を支えたりする重要な役割があります。

また、筋肉は体内で多くのエネルギーを消費する組織でもあり、健康な代謝を維持するうえでも欠かせません。

そのため、筋肉量が減少すると、運動能力だけでなく、日常生活や健康状態にもさまざまな影響が現れることがあります。

筋肉量が減ると起こる変化

筋肉量は急激に減ることは少なく、多くは少しずつ変化します。

例えば、散歩を嫌がるようになった、ジャンプをしなくなった、立ち上がるのに時間がかかる、以前より疲れやすそうに見えるといった変化がみられることがあります。

もちろん、これらは関節疾患や神経の病気などが原因の場合もありますが、筋肉量の低下が関係していることも少なくありません。

加齢による筋肉量の低下

年齢とともに筋肉は減少する

犬や猫では、年齢を重ねるにつれて筋肉量が少しずつ減少することが知られています。

これは、人で「サルコペニア」と呼ばれる加齢による筋肉量の減少と似た変化です。

加齢に伴い、筋肉を作る働きが低下するだけでなく、運動量や食欲が減ることも筋肉量の減少につながります

そのため、高齢になるほど筋肉量の変化を定期的に確認することが大切になります。

シニアでは特に注意したい

シニア犬・シニア猫では、体重があまり変わらなくても筋肉だけが減少していることがあります

体脂肪が維持されていると、体重や見た目だけでは筋肉量の変化に気付きにくいためです。

そのため、世界小動物獣医師会(WSAVA)では、体脂肪を評価するBCS(ボディコンディションスコア)だけでなく、筋肉量を評価するMCS(マッスルコンディションスコア)もあわせて確認することを推奨しています。

キャットフード・ドッグフードの給与量や体型判断にはボディコンディションスコア(BCS)を活用しよう

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加齢以外にも筋肉量が減る原因

病気によって筋肉量が減ることがある

筋肉量の低下は、加齢だけでなく病気が原因で起こることもあります。

例えば、慢性腎臓病や心臓病、がんなどでは、病気の影響で食欲が低下したり、体の代謝が変化したりすることで、筋肉量が減少することがあります。また、慢性的な消化器疾患では、栄養を十分に吸収できず、筋肉量が低下することがあります。

病気によっては、食事内容の見直しや療法食による栄養管理が必要になることもあります。そのため、筋肉量が減ってきたからといって自己判断で高たんぱくフードへ変更するのではなく、早めに動物病院を受診し、まずは原因を確認することが大切です。

栄養不足によって筋肉は維持できなくなる

筋肉を維持するためには、十分なエネルギーとたんぱく質などの栄養素が必要です。

食事量が不足していたり、栄養バランスが偏っていたりすると、筋肉を維持するための栄養が不足し、筋肉量が減少することがあります。

また、体重が標準でも必要な栄養素が十分に満たされているとは限りません。筋肉量の維持には、体重だけでなく食事内容にも目を向けることが大切です。

健康な犬や猫では、総合栄養食を適切な量で与えることで、筋肉の材料となるたんぱく質や必須アミノ酸をバランスよく摂取できます。一方、おやつが多い食事や栄養バランスの偏った手作り食では、必要な栄養素が不足し、筋肉量の維持に影響することがあります。

運動不足も筋肉量の低下につながる

筋肉は、使わなければ少しずつ減っていきます

散歩の時間が短くなったり、関節の痛みなどで体を動かす機会が減ったりすると、筋肉量も低下しやすくなります。

特にシニア犬・シニア猫では、加齢による筋肉量の減少に加え、運動量も減りやすくなるため、無理のない範囲で体を動かすことが筋肉量の維持につながります。

筋肉量が減ったらどうすればいい?

まずは原因を考えることが大切

筋肉量の低下が見られた場合、すぐに「老化だから仕方ない」と考えるのはおすすめできません。

加齢だけでなく、病気や栄養不足、運動不足などが関係していることもあるため、原因によって必要な対応は異なります。

まずは、いつ頃から変化が見られたのか、食欲や体重に変化はないかなどを確認してみましょう。

気になるときは動物病院で相談しよう

筋肉量の変化が気になる場合は、動物病院で相談することをおすすめします。

体重やBCSだけでなく、MCSを確認することで、筋肉量がどの程度維持されているかを評価できます。

必要に応じて血液検査などを行い、病気が隠れていないかを確認することも大切です。

筋肉量を維持するためにできること

栄養バランスの良い食事を続ける

筋肉量を維持するために特別なフードが必要というわけではありません。

健康な犬や猫では、総合栄養食を基本に、年齢や活動量に合ったフードを適切な量で与えることが基本です。

また、筋肉量を維持するためには、たんぱく質だけでなく、十分なエネルギーを摂取することも重要です。食事量が不足すると、筋肉がエネルギー源として利用されやすくなることがあります。

適度な運動を続ける

筋肉を維持するためには、毎日の運動も欠かせません。

年齢や体力に合わせて散歩や遊びを続けることは、筋肉量の維持だけでなく、健康維持にも役立ちます。

定期的に筋肉量を確認する

筋肉量は、体重だけでは判断できません

日頃から背骨や腰、太ももなどを触って変化がないか確認し、定期的な健康診断ではMCSもあわせて評価してもらうと、小さな変化にも気付きやすくなります。

高たんぱくフードなら良いわけではない

筋肉量が気になると、「高たんぱくフードに変えた方がよいのでは?」と考える飼い主もいるでしょう。

しかし、健康な犬や猫では、総合栄養食を適切な量で与えていれば、必要なたんぱく質は基本的に摂取できます。また、筋肉を維持するには、たんぱく質だけでなく十分なエネルギー摂取も欠かせません。

一方、腎臓病などでは病状に応じた食事管理が必要になることもあります。筋肉量が気になるからといって、自己判断で高たんぱくフードへ変更するのではなく、獣医師と相談しながら食事を選ぶことが大切です。

まとめ

犬や猫の筋肉量が減る原因は、加齢だけではありません。病気や栄養不足、運動不足など、さまざまな要因が関係しています。

特にシニア犬・シニア猫では、体重や見た目が変わらなくても筋肉だけが減少していることがあるため、BCSだけでなくMCSもあわせて確認することが大切です。

筋肉量の低下に気付いたら、「年齢のせい」と決めつけたり自己判断でフードを変更したりするのではなく、まずは原因を確認しましょう。そのうえで、愛犬・愛猫の健康状態に合った食事や栄養管理を続けることが、筋肉量の維持につながります。

マッサン

ペットフード販売士マッサン

株式会社ヒューマル代表取締役。マッサンペットフーズを運営しています。まだインターネットにペットフードに関する情報がほとんどなかった時から、インターネットでペットフードに関する情報の発信を始め、読者の声を実現する形でロニーキャットフードを開発。その後、犬猫が人の腕や顔を舐めてしまうことに着目して、舐めても問題のない原材料を使用したペット飼育者向け化粧品というジャンルを作りだし、初めて販売したロニーボディクリームが大人気商品に。すべての犬猫が幸せになることを願って活動しています。

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スギさん

新婚さんで妊娠中。子どもができたことをきっかけに家族の健康について考え、10歳を超えた愛犬愛猫の健康も考えるようになった。現在犬猫の食事について勉強中!

エノおじさん

10匹以上の猫を飼っているお酒が好きな元気なおじさん。大量のキャットフードを購入することもあり、安価でありながら安全なキャットフードを探している。
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